『今村で勝負する』そう言わせなければいけない

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いつも100%以上 モチベーションの秘訣

Q:ちらほらと「今村選手は修行僧みたい」という噂を聞きますが、ご自身では?

そうなんですか(笑)そういう雰囲気を出しているつもりはないですけれど、練習メニューはきちんと実施して、100%以上にしてやるのが大事だと思っています。これは自分の中で決めていることですね。

Q:モチベーションがないと続かないことだと思いますが、どういったことでモチベーションを保っているのでしょうか?

「次のレースで勝ちたい」というシンプルな想いもありますけれど……大きいのは梶原(悠未)選手です。同級生ですし、高校の時は最高リザルトだけ見れば僕の方が上でした。でも梶原選手はそこからの成長具合がすごいですし、今は大きく離されてしまっています。近くで見ているからこそ、突き詰められることを探している姿など見習うことがあり、刺激を受けています。

ジュニア世界チャンピオンの経験、再度頂上へ

Q:ジュニアの時に世界チャンピオン(2015年)になっていますよね。ジュニアとはいえアルカンシェルを着た経験を持つわけですが、「あの感覚をもう一度」みたいなところがあるんでしょうか?

国旗をセンターポールに掲げて、国歌を聞いて、虹色のアルカンシェルを着るというのは滅多にないことです……あの大舞台で日本の国歌を聞いたというのはすごく大きな経験でした。

当時一緒に走ったメンバーと、今もレースで一緒になることがあります。ワールドツアーを走っている選手もいれば、トラックですでに世界選手権を何連覇もしている選手もいます。

僕はジュニア世界チャンピオンに”成るべくして成った”とは思っていません。でも今活躍している選手たちと同じ表彰台に立った事実はあるわけで、もう1度あの場に立ちたいとは、ずっとずっと思っています。

Q:他の選手のような成長曲線が描けなかったということでしょうか。その原因はなんだったのでしょう?

世界チャンピオンになったことで、気の緩みはあったと思います。その翌年のジュニア世界選手権はボロボロでした。

ジェイソン(・ニブレット短距離ヘッドコーチ)によく言われるんですが、世界チャンピオンになった翌年、ジェイソンはオーストラリアのジュニアコーチで「今村をマークしておけ」と選手に指示したらしいです。でもあまりにもボロボロで、途中からマークを外したそうです。

ライバルたちの台頭、コーチからの言葉

2017年3月の香港の世界選手権にはオムニアムで出させてもらいました。その前からロサンゼルスとかコロンビアのワールドカップで走らせてもらっていましたが、キャンベル・スチュワート(ニュージーランド)とかキーランド・オブライエン(オーストラリア)たちが当たり前のように勝っていた時に、当時のコーチだった飯島誠さんに言葉をかけてもらいました。

「彼らに負けて悔しくないのか?」と。

大会会場からホテルに戻る時に飯島コーチに言われて、それで「はっ」としました。

その後にチームブリヂストンサイクリングに入って、ロードもやるようになり、練習量を増やすことができました。そこから徐々に成長を実感できるくらいまで上がってきています。

自分の出場機会は自分で掴む

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