8月30日から韓国と北朝鮮の国境付近で開催されている、UCIジュニアネーションズカップ、Tour de DMZ。日本からはナショナルチーム津田悠義、山田拓海、北宅柊麻、川崎三織、大河内将泰、湯浅博貴の6選手のほか神奈川、京都、福岡、熊本の高校生選手によるチームJAPAN CYCLING ACADEMYが参戦した。
Stage5はGANGHWA島を1周する87kmのアップダウンコースで争われた。
川崎はジャージを失うも、調子を上げる北宅/UCI JUNIOR NATIONS CUP 2019 Tour de DMZ Stage3
ジャージを守り集団牽引
個人総合で上位5選手が10秒以内におり、チーム力で抜きんでていないフィンランドチームが個人総合リーダーのため、激しいレースになることが予想された。また山岳ポイントで1位と同点で2位の川崎がこの日逆転するためには50km過ぎにある3級山岳で4位までに与えられるポイントをとらねばならないが、そのためには山岳ポイントまで日本チームがコントロールする必要があった。この日は山岳賞より山田、津田の個人総合のより上位へのジャンプアップを優先することとした。
落車に巻き込まれる山田
レースはスタートしてアタックがかかり続けるが、日本チームは北宅を中心に対応して中盤からのアップダウン区間に備える。山岳ポイント手前の1kmの登り区間で山田がアタックをかけるが、総合上位陣が逃さず追走をかけてくる。山岳ポイント後に3番手で下っていた山田は、前の選手が段差にハンドルを取られて落車し巻き込まれてしまう。アタック合戦でペースが上がっている中で山田はパンク交換もして大きく遅れてしまったが、湯浅、北宅が山田のバイクが直るまで待ち集団を追いかける。大きく離されてしまった集団に3名であきらめずに回し続け65km地点で集団に復帰する。
度重なる落車、ステージ優勝はできず
日本チームで攻撃をかける予定でいたアップダウン区間での山田のトラブルであったが、個人総合2位のアメリカの選手もここで落車してバイクトラブルに見舞われる。攻撃をかけなければならないチームの連続したトラブルで集団も落ち着き集団スプリントの雰囲気となる。そのままゴールまで集団は分裂せず、ラストはVVWチームがコントロールしてエーススプリンターのKOOU Olavが今大会ステージ3勝目を果たした。日本チームは大河内がステージ4位となったが、川崎と湯浅がゴール前での大きな落車に巻き込まれてしまった。
この日個人総合2位のアメリカのBOURGOYNE Lucasがラスト10kmの下りで再び落車してリタイアとなり、山田が個人総合で4位、津田が9位となった。5日間のステージで日本チームはまとまりをみせて団体総合でも2位となった。
チーム総合2位は実力の証
今回の韓国ネーションズカップでは日ごとにチームの連携、攻撃力も向上し、勝ち逃げにしっかりエース選手を乗せ続けることが出来た。チームでしっかり助けあい危険な状況をカバーし、状況に応じて話し合い行動することが出来るようになりつつある。また今大会では個人総合上位の選手、山岳賞の選手を抱えることでよりレース全体でのチームの動き方、またプレッシャーとの向き合い方を身につける良い機会となった。次回のジュニア遠征は今月下旬の世界選手権となる。
Stage5リザルト
1位 | KOOIJ Olav(オランダ:WILLEBRORD WIL VOORUIT) | 1時間56分24秒 |
2位 | REYNOLDS Tyler(アメリカ) | 同タイム |
3位 | KURITS Joonas(エストニア:フィンランドナショナルチーム所属) | 同タイム |
4位 | 大河内将泰(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
18位 | 津田悠義(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
34位 | 北宅柊麻(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
64位 | 山田拓海(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
65位 | 湯浅博貴(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
72位 | 川崎三織(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
個人総合
1位 | VAINIO Veeti(フィンランド) | 11時間36分19秒 |
2位 | KRIJNSEN Jelte(オランダ:WILLEBRORD WIL VOORUIT) | 11時間36分23秒 |
3位 | MCNEIL Aidan(アメリカ:ARAPAHOE HINCAPIE PB BMC RACING) | 11時間36分25秒 |
4位 | 山田拓海(日本ナショナルチーム) | 11時間36分29秒 |
9位 | 津田悠義(日本ナショナルチーム) | 11時間37分28秒 |
13位 | 大河内将泰(日本ナショナルチーム) | 11時間39分48秒 |
18位 | 川崎三織(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
25位 | 湯浅博貴(日本ナショナルチーム) | +1分09秒 |
64位 | 北宅柊馬(日本ナショナルチーム) | 11時間52分26秒 |
TEXT:JCF強化コーチ 柿木孝之
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