8月30日から韓国と北朝鮮の国境付近で開催されている、UCIジュニアネーションズカップ、Tour de DMZ。日本からはナショナルチーム津田悠義、山田拓海、北宅柊麻、川崎三織、大河内将泰、湯浅博貴の6選手のほか神奈川、京都、福岡、熊本の高校生選手によるチームJAPAN CYCLING ACADEMYが参戦した。
Stage3はHWACHEONからYEONCHEONまでの128.7kmで争われた。途中山岳賞のかかった登りがあるが、そこからゴールまでは80km以上の平坦コースのため集団スプリントになることが予想された。
ジャージを守り集団牽引
スタートしてすぐに個人総合リーダーを擁するアメリカチームがコントロールする。日本チームは砂の浮いた危険個所区間前に全員で隊列を組んで安全にクリアする。数名の逃げが起こるが登り口までには集団は一つの状態で進む。登りに入ると山岳ジャージをキープするために川崎を良い位置でスプリントさせるために湯浅、津田が先頭に出てペースをキープする。
惜しくもジャージを失う川崎
山岳争いのスプリントでは山岳ポイントで2位のアメリカのMCNEIL Aldanに先着を許し川崎は2位通過する。合計のポイントが同点となり山岳ジャージを奪われる。集団はこの登り区間で3つに分かれる。日本チームは登り口でパンクにより遅れた北宅を除き5名が先頭に入りペースを上げるが、下りと平坦で後続の多くの選手は集団に復帰し、登り区間で遅れたアメリカのアシスト選手らも戻ってくる。そこからはオランダが攻撃をかけ、日本チームも川崎、津田、大河内、湯浅、山田、下りでメイン集団に復帰した北宅も攻撃をかけるがなかなか効果的な逃げにはならない。
津田は逃げを仕掛けるも及ばず
残り30kmあたりで津田が抜け出し、追走してきた地元の韓国選手と逃げる。個人総合で少し遅れているためチャンスはあるようにみえたが、アメリカチームがオーストラリアのクラブチームと共同で強力に集団牽引をして45秒以上は広がらない。津田はラスト10kmをきって一人になってもあきらめずに攻撃したが集団に吸収される。そのまま集団スプリントとなりstage1を制したオランダのWWVチームのKOOU Olavが圧勝した。スプリンターのいない日本チームは集団スプリントでは厳しく大河内の15位が最上位であった。昨日好走したJAPAN CYCLING ACADEMYの川野がこの日も集団スプリントで5位に入り存在感を示した。
Stage1、2と調子の悪かった北宅も動きが良くなりチーム全体の連携もステージを重ねるごとに良くなってきている。山岳ジャージは同ポイントながら奪われてしまったが、stage5の3級山岳ポイントではチャレンジして奪還を狙う。Stage4は登り区間がほとんどないスプリンター向きのコースであるが、山田の個人総合を守りながら逃げによるステージ優勝を狙っていく。
Stage3リザルト
1位 | KOOIJ Olav(オランダ:WILLEBRORD WIL VOORUIT) | 3時間00分28秒 |
2位 | KURITS Joonas(エストニア:フィンランドナショナルチーム所属) | 同タイム |
3位 | SLAMZHANOV Orken(カザフスタン) | 同タイム |
15位 | 大河内将泰(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
16位 | 川崎三織(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
21位 | 山田拓海(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
29位 | 湯浅博貴(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
44位 | 津田悠義(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
55位 | 北宅柊馬(日本ナショナルチーム) | 2時間46分05秒 |
個人総合
1位 | BOURGOYNE Lucas (アメリカ) | 7時間29分44秒 |
2位 | KRIJNSEN Jelte(オランダ:WILLEBRORD WIL VOORUIT) | +04秒 |
3位 | MCNEIL Aidan (アメリカ:ARAPAHOE HINCAPIE PB BMC RACING) | +06秒 |
5位 | 山田拓海(日本ナショナルチーム) | +10秒 |
11位 | 大河内将泰(日本ナショナルチーム) | +49秒 |
13位 | 川崎三織(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
18位 | 湯浅博貴(日本ナショナルチーム) | 同タイム |
25位 | 津田悠義(日本ナショナルチーム) | +1分09秒 |
70位 | 北宅柊馬(日本ナショナルチーム) | +13分27秒 |
TEXT:JCF強化コーチ 柿木孝之
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