9月21日より、ルワンダ・キガリで幕を開ける『2025世界選手権ロード』。
本大会にて、GPSによるライダー追跡システムが導入されることがUCIより発表された。
全選手の位置・速度がリアルタイムで監視可能に

UCIとSafeRによる、ロードサイクリストの安全性向上に向けて継続的に行われてきた取り組みの一環であるこの施策。
8月の『ツール・ド・ロマンディ・フェミニン』でテスト、改良を経ての導入となり、全カテゴリーの全ライダーが、サドルの下にGPS装置を追跡することになるという。
これにより、コントロールセンターから、全選手の位置および速度をリアルタイムで監視。ライダーが急に停止するなど、異常な事態を即時検知できる体制が整備された。
昨年の『ロードレース世界選手権』では、レース中の事故によりスイスのミュリエル・フラーが命を落とすという痛ましい出来事が起こってしまった。UCIのダビド・ラパルティアン会長は、今大会からの導入に際して「安全性向上のための重要かつ必要な一歩です。この導入により、これまで見落とされていた可能性のあるあらゆる事故やインシデントを特定し、迅速に支援することが可能になります」とコメントを発表している。
課題もあるが……安全への取り組みは必須
ニュースリリースでは、このGPS追跡システムおよびそれに伴う対応を、他のレースにも拡大することを視野に入れていることが記されている。
しかし一方で、テスト導入された『ツール・ド・ロマンディ・フェミニン』では、取得されたデータの取り扱いや装置の管理、装置が外れライダーに損害があった場合の責任の所在など、出場チームとUCI間で衝突が発生。5チームが失格となったことも海外メディアで報じられている。
今後に向けてさまざまな議論、対話が必要となるが、安全対策は必要不可欠。
選手たちを守り、白熱したレースを安心して観ることができる取り組みに期待したい。