自転車ロードレースにおいて最も格式高いとされる3つのステージレースの総称「グランツール(3大ツール)」。
『ジロ・デ・イタリア』(通称ジロ)
『ツール・ド・フランス』(通称ツール)
『ブエルタ・ア・エスパーニャ』(通称ブエルタ)*
過酷さも、勝者に与えられる名誉もダントツの超ビッグレースだ。
2025年9月13日、『第80回ブエルタ・ア・エスパーニャ』の閉幕をもって、2025年のグランツールが全て終了した。
※本記事ではグランツールの大会名を男女統一して記載する。
「ロード・トラック世界選手権」に向けた注目選手
本記事では、ロードとトラック競技の二足の草鞋を履く選手のうち、2025年のグランツールで活躍した選手たちを紹介していく。
9月21日に開幕する『2025世界選手権ロード』(ルワンダ開催)、
10月22日に開幕する『2025世界選手権トラック』(チリ開催)、
2つの世界選手権に向けた注目ポイントの1つとして楽しんでいただけたら幸いだ。
ジョナサン・ミラン(イタリア)
ツール:総合146位, ポイント賞1位, 新人賞41位
男子のなかで圧倒的な活躍を見せたのは、イタリアのジョナサン・ミラン。
『2024世界選手権トラック』個人パシュートでは予選・決勝ともに世界新記録を叩き出す走りで、アルカンシェルを獲得した選手だ。
ロードでは「Lidl – Trek」に所属するミラン。
2025年は『ツール・ド・フランス』に出場し、2ステージで区間優勝、計4ステージでトップ3フィニッシュ。さらには“スプリンターNo.1”を決める「ポイント賞」の総合リーダーに輝く活躍ぶりを披露した。
ミランについては以下記事をチェック▼
『1日に2回の世界記録更新 ミランがアルカンシェル 男子個人パシュート/2024世界選手権トラック』
フィリポ・ガンナ(イタリア)
ミランと同じイタリアのフィリポ・ガンナ。トラック競技個人パシュートで、ミランが更新した前世界記録を打ち立てた選手。
INEOS Grenadiersに所属し、2025年は『ツール・ド・フランス』と『ブエルタ・ア・エスパーニャ』に出場した。
先に開催されたツールでは、第1ステージで落車によるリタイアを余儀なくされたものの、9月のブエルタでは第20ステージの個人タイムトライアルで区間優勝。
落車による怪我など、シーズン序盤での逆境に乗り越え、見事表彰台へのカムバックを果たした。
2025年9月17日現在、『2025世界選手権トラック』のイタリア代表メンバーは発表されていないものの、ミランとともに要注目の選手だ。
イボ・オリベイラ(ポルトガル)
(右)イボ・オリベイラ
ブエルタ:総合109位, ポイント賞52位
男子最後はポルトガルのイボ・オリベイラ。
タデイ・ポガチャルと同じ「UAE Team Emirates – XRG」に所属し、『ブエルタ・ア・エスパーニャ』に出場したイボ・オリベイラは、第5ステージのチームタイムトライアルで区間優勝に貢献した。
イボ・オリベイラはジュニア時代から双子のルイ・オリベイラとともにトラック競技で表彰台を獲得しており、『2022世界選手権トラック』では個人パシュート銅メダルを手にしている。
ちなみに、ルイも『パリ2024オリンピック』マディソンで金メダルを獲得するなど、ロード・トラックの二足の草鞋で活躍する選手だ。
イボ/ルイ・オリベイラについては以下記事をチェック▼
『【サイクリスト偉人伝】ポルトガルの超新星、ルイ/イボ・オリベイラ兄弟の絆』
グランツールに出場したその他の主なトラック男子選手
選手名 | 国 | 所属チーム | 2025年グランツール総合順位 |
イーサン・ハイター Ethan Hayter |
イギリス | Soudal Quick-Step | ジロ136位 |
シモーネ・コンソーニ Simone Consonni |
イタリア | Lidl – Trek | ツール160位 |
エリア・ビビアーニ Elia Viviani |
イタリア | Lotto | ブエルタ150位 |
ベンジャミン・トマ Benjamin Thomas |
フランス | Cofidis | ツール154位 |
キーランド・オブライエン Kelland O’brien |
オーストラリア | Team Jayco AlUla | ブエルタ94位 |