ロードやトラック競技など、様々な種類がある自転車競技。従来はそれぞれの競技ごとに世界選手権が各地・各日程で実施されていた。
そんななか、2023年8月3日〜8月13日にイギリス・グラスゴーで開催された『2023 UCI自転車競技世界選手権』。「13」もの自転車競技の世界選手権を同一のイベントとして、同地域にて、同時開催した、史上初・史上最大のメガイベントだ。
UCIは初めての試みとなる本大会が、どれほど大規模なイベントだったのかを物語る数値をUCIリリースにて発表した。
テレビの総視聴時間は「2万年」……
史上初の試みとなる『2023 UCI自転車競技世界選手権』。11日間かけて開催された本大会の様子は、「5大陸、130カ国」で合計「93チャンネル」にてテレビ放映された。
93チャンネル・11日間の視聴時間の合計は、「2億時間」。聞いたことのない数字だ。年になおすと、2万2,831年……。
漠然としすぎて理解しにくいため、従来の世界選手権との比較を紹介する。
各競技で視聴時間が大幅アップ
従来のようにそれぞれの自転車競技の世界選手権を個別で開催した年と比較すると、全体の視聴時間は「75%」増加したことをUCIが発表。
この数値に大きく貢献したのがロードとトラックの2競技だ。
ロードでは、男子エリートでシクロクロス*に続き同年2つ目の世界タイトルを獲得したマチュー・ファンデルプール(オランダ)が、女子エリートではトラック競技と合わせ同年3つ目の世界タイトルを獲得したロッテ・コペツキー(ベルギー)がそれぞれアルカンシェルを獲得。
2017年〜2022年のロード世界選手権の平均視聴時間と比較し、「22%」の増加を記録。全体の「75%」増の半分に貢献した。
※『2023シクロクロス世界選手権』は2023年2月に個別に開催
中野慎詞、窪木一茂、内野艶和、今村駿介の日本4選手がメダルを獲得したトラック競技では、従来の視聴時間よりも「62%」の増加を記録。全体の「75%」増の1/3に貢献した。
その他にも荘司ゆうがアルカンシェルを獲得したBMX(レーシング・フリースタイル)では「3.8倍」、マウンテンバイクでは「2倍」の視聴時間をそれぞれ記録。
さらに従来は放映される機会やチャンネルが限られていたパラサイクリング(ロード・トラック)では、「200万人」の視聴者数を記録した。
公式リリースにてUCIは、各競技におけるこれらの視聴時間・視聴者数の増加は、異なる自転車競技の世界選手権を合同で開催したことによる恩恵であると言及している。