2024年2月20日、都内にて新しいサイクルロードレースチーム「Team Cyclers SNEL」の記者発表会が行われた。
チームの母体となる「サイクラーズ株式会社」はスクラップや産業廃棄物を回収し、分別・加工・リユースして「循環させる」仕事を行っている企業。JCF(日本自転車競技連盟)の公式スポンサーで、More CADENCEでもインタビューを行っている。
そのサイクラーズが立ち上げた新チーム「Team Cyclers SNEL」。チームポリシーにも、やはりサイクラーズ「らしさ」があった。
キーワードは「デュアルキャリア」
記者発表では、まずサイクラーズ株式会社代表取締役でチームオーナーとなる福田隆氏、チーム監督となる三瀧光誠氏が登壇。
「Team Cyclers SNELは、今月24日から始まるJプロツアーに実業団型プロチームとして参戦して参ります。実業団型チームは最近では珍しいものとなっていますが、このチームは半分競技、半分仕事の『デュアルキャリア』を柱としているチームです。
選手のほとんどはサイクラーズグループに所属し、競技を続けつつ仕事の経験を積んでいきます」
三瀧監督いわく、現時点で所属の7選手中4選手が働いており、今春に大学を卒業する選手もそこに加わる予定だという。
サイクラーズなりの『プロスポーツ選手のあり方』
チームオーナーはサイクラーズ株式会社 代表取締役である福田隆氏。プロチームを立ち上げるにあたって「サイクラーズなりの『プロスポーツ選手のあり方』」を模索したという。
「選手にとって課題となるのは『セカンドキャリア』。この点を踏まえ、僕らなりの、サイクラーズなりの『プロスポーツ選手のあり方』があるのではないか、と考えました。
選手たちには、競技のかたわらでサイクラーズグループでの業務も行っていただきます。チームと個人が年間の計画を立て、勝利を目指していく。これは普通の人は経験できないことです。それと同時に、これは『仕事』にも活かしていけることでもある。
競技をすることが仕事に役立つし、仕事で学んだ物事の進め方やコミュニケーションが競技にも役立つ。選手たちが成長でき、チームとしてもパフォーマンスを出せる……そんな相乗効果を期待しています」
「モノもヒトも循環させる」
サイクラーズ株式会社では「循環」が大きなキーワードとなっている。「デュアルキャリア」……競技と社会人生活をリンクさせる、そして競技引退後のための武器を作っていく。これを大きく掲げる新チームのスタンスは、まさに「サイクラーズらしい」と言えるだろう。
「自転車競技者のモデルケースとなりたい」と語るTeam Cyclers SNEL。「モノもヒトも循環させる」サイクラーズの新たな一歩に注目だ。
次ページでは発足時メンバーとなる7選手のプロフィール、コメントをご紹介する。