2018年5月24日〜5月27日までの4日間で開催されるジュニアネーションズカップTour du Pays de Vaud。最終日となる第4ステージは長い登りはないが、ラスト20kmまではコースプロフィールにはないアップダウンが多く、総合上位の入れ替えを狙ったアタックが続くことが予想された。

レース中のコミュニケーションの重要性を再確認、悔しさを噛みしめる/ジュニアネイションズカップTour du Pays de Vaud 2018 第1ステージ

レースを経て、戦い方や知識など多くを学ぶ/ジュニアネイションズカップTour du Pays de Vaud 2018 第2ステージ

突然のコース変更、30名を巻き込む大落車 ケガ人まで/ジュニアネイションズカップTour du Pays de Vaud 2018 第3ステージ

デンマークが個人総合1位、2位を独占

スタートして個人総合1.2位を擁するデンマークチームが集団をコントロールする。

10kmあたりで小野寺がチェコ、オランダの選手と共に抜け出し、40秒ほどの差が開く。個人総合に関係のない逃げだった為、2分くらいタイム差が開くと思われた。

しばらくして追走選手が増え、最終的には9名の先頭集団を形成する。しかし、大人数の逃げを嫌ったデンマークチームが強烈にペースを上げて30km過ぎには先頭集団を吸収する。

その後、カザフスタン、ドイツチームの逃げが決まるが、デンマークが登りやアップダウンすべてを完全にコントロールする。

横風区間を含む登りで有力チームの攻撃がかかり、デンマークのアシスト選手がこぼれた。だが、その後の平坦区間で復帰し、圧倒的な支配力で他のチームは動くことが出来ない。

この日は1km弱の登りゴールのため、集団に残った小野寺は香山と連携を取る。登りに入るまでの位置取り争いで前方をキープ、香山を先頭から7番手で送り出す。長い登りスプリントで香山が粘りを見せるが13秒遅れの25位にとどまった。

ステージ優勝はフランスのBAUDIN Alexで、個人総合は変動なくデンマークが1.2位を独占した。

ネーションズカップを通して、成長と新たな課題

昨年は毎ステージ完走がやっとであった小野寺が結果こそ残せなかったものの、今年は大きく成長して戻ってきた。まだトップ10に入る力はないが、集団内で存在感を示した。

昨年参加したネーションズカップから学び、練習での意識、レースに向けた準備、大会関係者や他の国の選手とのコミュニケーションの取り方など小野寺自身に大きな変化がみられる。

特にジュニア選手は、意識が変わるだけで短期間でも大きく成長することが出来る。

今回参加した選手もレースだけではなく、生活面、言語、他のチームとのコミュニケーション、食事の摂り方など課題が多く見つかった。U23からエリートに上がり、この時の経験が活かせたと言えるよう今後も取り組んで欲しい。

6月7日からドイツでのネーションズカップTrofeoが始まる。参加メンバーを全員入れ替えて大会に臨む。

競技結果

第4ステージ 112.9km
1位 BAUDIN Alex(フランス)
2位 STRELKOV Nikita(ロシア)
3位 VACEK Karel(チェコ)
25位 香山飛龍(Japan National Team)
45位 小野寺慶(Japan National Team)
73位 道見優太(Japan National Team)
88位 宇佐美颯基(Japan National Team)

第4ステージ 個人総合成績
1位 SKJELMOSE JENSEN Mattias(デンマーク)7時間58分16秒差
2位 LEVY William Blume(デンマーク)24秒差
3位 AASHEIM Ludwig(ノルウェー)37秒差
34位 小野寺慶(Japan National Team)5分39秒差
53位 香山飛龍(Japan National Team)15分35秒差
66位 道見優太(Japan National Team)20分41秒差
87位 宇佐美颯基(Japan National Team)50分03秒差

Text:柿木孝之(JCF強化コーチ)

原文:JCF