2024年で、60周年という節目を迎えたチームブリヂストンサイクリング。チームをまとめあげる宮崎景涼監督以下、窪木一茂、今村駿介、松田祥位、河野翔輝、山本哲央、山下虎ノ亮、岡本勝哉の総勢8人が集まって実施された珍しい形での合同インタビューの模様をお届けする。

なお、この日出席した窪木一茂、今村駿介ほか、橋本英也、脇本雄太、新山響平の5選手が、2024年シーズンをもって退団することが発表。窪木を中心に繰り広げられるメンバー同士の貴重な(?)会話も含めてお楽しみいただきたい。

チーム全員が持つ共通の目標

Q:まず、チームとしての今年1年の振り返りをお願いします。

宮崎景涼監督「チーム60周年という節目である今年は、パリオリンピックへの挑戦がありました。中長距離の複数種目で選手が出場したほか、太田りゆ選手、長迫選手も奮闘してくれました。

窪木一茂・今村駿介のコンビで出場したパリオリンピック マディソン

ロードレースでも、出場機会が少ないなか、国内レースで勝利を重ねることができた。何より最後に、窪木選手がアルカンシェルを持ち帰ってきてくれて、日本人でもできるということを証明してくれました。チームとして本当にいいシーズンだったと思います。

今はチームとして、“オリンピックでメダルを獲る”という目標が全員一致していて、とてもいい状態です。そこが、このチームの強みだと思っています」

インタビュー会場には今年の名場面がずらり

窪木「自分はまだ強くなれる」

Q:大きなトピックは、いまも挙げられた窪木選手のアルカンシェル獲得。その翌日に、1kmTTに出場したことも印象的でした。

窪木一茂「特に中長距離においては、どの種目でもマルチにこなす能力がないと、世界では勝負できない。そういう気持ちを以前から持っていたので、それが実を結びアルカンシェルを獲得できたのだと思います。これからの選手にも、そういうモチベーション、気持ちを持って取り組んでほしいですね」

Q:そういった飽くなき挑戦は、チームのキャプテンとして意識している部分もありますか?

窪木一茂「というよりは、“自分はすべてをやりきったわけではない、自分はまだ強くなれる”という気持ちが根底にあります。自分の伸び代を挑戦に置き換えて、日々鍛え上げています」

ニュージーランドでの歓待

Q:直近では、『Tour of Southland』出場でニュージーランドへの遠征がありました。現地で、アルカンシェル獲得に対する反応はありましたか?

窪木一茂「ニュージーランドの空港で、すごく名前を呼んでもらいましたね。レース後のアフターパーティでも、他国の選手から“どういう心境で走ったの?”とか、いろいろと聞かれました。日本でも、SNSを中心にたくさん声をかけていただいて。そういった反応の数は、いままでで一番多かったですね」

Tour of Southland

Q:チームのアルカンシェルジャージを着用した感想は?

窪木一茂「じつは、これまで優勝したという実感はそんなになかったんです。このジャージを身につけて、ブリヂストン本社の方々に挨拶に伺ったのですが、そこでようやく実感が湧きました」

撮影で一歩前に出る窪木選手

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