金メダルの可能性を高めることが最重要
オランダが東京オリンピックにチームスプリント”4人体制”で挑む事に対し、オランダ自転車競技連盟のソーワルド・ヘネンベルグ総合監督は以下の様にコメントした。
「簡単な決断ではありませんでした。我々には贅沢な問題があり、ロードレースで最も戦える5人を選ぶか、ロードレースのメンバーを変えてでもトラックレースで4人のトップライダーを使うかの選択※1を迫られました。問題の理由としては、チームスプリントの第3走の選手を交代させて勝つ戦術を、ここ数年で確立させたことにあります。トラック短距離ヘッドコーチのヒューゴ・ハックは”スプリンターを1人余分に抱えておく事”が成功の可能性を上げると考えています。また、スプリントとケイリンの出場選手を選ぶ際に、多くの選択肢を与えてくれるという利点もあります。そしてロードレースに関して述べると、東京オリンピックのスケジュールがツール・ド・フランスのおよそ1週間後にあることからスケジュール的にも厳しく、準備の観点から考えると、ロードよりもトラックの方が有力な選択肢だという事もあります。連盟としては競技/種目を問わず、金メダルを獲得する可能性を最大限に高めていくことが最重要と考え、この決断へ至りました。」
一方でロードレースのKoos Moerenhoutコーチは以下の様にも述べている。
「決定は尊重しなければならないが、今のオランダロードレース界の成功、これからの成長を考えると残念です。」
オランダの発表内ではトラック中長距離種目の選手をロードレースへ出場させるとも明言された。
オランダチームの発表、そしてUCIが出しているオリンピック出場についてのルールから要約すると…
- オランダは男子ロードレースのオリンピック出場5枠の内1枠をトラック男子短距離に使わせ、チームスプリント4人目の枠を創出
- 補欠選手にトラック中長距離の選手を割り当て、ロードレースの1枠を埋める(ロードレースへ最適な選手は4人になる)
※補欠選手については「Tokyo Olympic Qualification System」のロード競技G項目の補欠選手欄を参照※
つまり、トラック男子短距離に関しては世界最強の4人で臨み、ロードレースは最強の5人…ではなく4人+トラック中長距離の選手とするということだ。