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東京オリンピックにおける自転車競技の出場枠
しかし最初の疑問「チームスプリントで出場枠の獲得をしている場合は内定選手が3人のはずでは?」への答えは、難解極まりないルールの中に隠されている。
実は、自転車競技で東京オリンピックへ出場する選手は一定の条件さえクリアすれば、自分の出場枠を利用し、自転車競技の他競技にも出場することが出来るのだ。
※1詳しくはUCIによる「Tokyo Olympic Qualification System」にて。各競技項目2:定員の条項参照。
極端な話、トラック競技の日本代表へ内定している脇本雄太が、BMXフリースタイルの選手として東京オリンピックへ出場する事も可能だ(あくまでルール上は…だが)。
このルールを実際に使った例が、2016年のリオデジャネイロオリンピックにおけるペテル・サガン(スロバキア)。
当然ながら当該種目で国を代表する最も強い選手が、オリンピック代表として出場をするものだ。サガンはロードレースの金メダル候補として目されていたスーパースターである。しかしオリンピック直前に怪我をし、万全とは言えない状態に。そこで、ジュニア時代は世界チャンピオンでもあるMTBクロスカントリー種目で金メダルを狙いに行ったのである。
この様に、自転車競技の種目同士であればオリンピック出場枠を融通する事が出来るルールが存在するのだ。
オランダの男子短距離に登録する「4人目」は、このルールを利用して現れた1枠である。
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