トラック世界選手権の女子オムニアム、4種目中2種目でレース中に落車が発生。波乱のレースを制したのは、既に別種目で優勝をしていた地元オランダの選手、ウィルト。初日に続き今大会2つ目のタイトル獲得。日本の梶原悠未は8位入賞を果たした。

梶原悠未「オリンピックでは悔し涙を流さない」女子オムニアム、レース後インタビュー/トラック世界選手権2018

オムニアムとは

4種目で獲得できる総合得点を競う混成競技。第1種目はスクラッチ、第2種目はテンポレース、第3種目はエリミネーション、そして最後の種目はポイントレース。第1~第3種目は種目毎に1位に20ポイント、2位に18ポイント、3位に16ポイントと順位によってポイントが与えられる。

最後の第4種目は、それまでの総合ポイントを基にレースが進められる。第4種目はトラックを200周、120周など定められた距離を走るが、10周毎にポイント周回が設定されている。そのポイント周回の通過順位に応じてポイント(1位=5点、2位=3点、3位=2点、4位=1点)が加算されていく。最終のポイント周回ではポイントが2倍(10ポイント、6ポイント、4ポイント、2ポイント)になる。メインとなる集団を1周追い抜いた場合は20ポイントが加算されるという特別ルールもある。この第4種目、ポイントレースを終えた際に総合ポイントが最も多かった選手がオムニアムの優勝者となる。

女子オムニアムに参加したのは24人。日本からはワールドカップの第3戦と4戦を連覇し、アジア選手権でも無敵の強さを見せた梶原悠未。対するライバルたちは、既にこの大会のスクラッチで優勝をしたウィルト(オランダ)、ディデリクセン(デンマーク)、バーカー(イギリス)それにワールドカップでも戦ったバルサモ(イタリア)、コペツキー(ベルギー)など。

第1種目スクラッチレース

梶原悠未

ウィルト・キルスティン(オランダ)

第1種目はスクラッチ。トラックを30周、計7.5kmで争われる。フィニッシュまで最も速く走った選手の勝ちとなるこの種目、レースはスタートから膠着状態が続く。

残り10周を切って集団がスピードを増して緊張感が漂ってきたころ、集団内でポーランド、スロバキア、チェコの選手が落車。そしてここからまさかの事態が起こる。

落車によって走路の上に選手のゴーグルが残っていたのだが、走行の妨げになるとして審判がそれを取りにいく。ゴーグルを回収した審判が走路から退避しようとしたところ、何とアタックを仕掛けていたDIAO(香港)と衝突してしまう。一方は車椅子で病院へ、一方は担架で救急車へと運ばれる事態となり、レースは一時中断された。

その後、レースは残り15周からの再開となる。

大きな展開がないまま残り5周へ。集団の先頭付近で最後のスプリント勝負の位置取りをする梶原だが、残りの周回数が少なくなり、スピードが上がってくると少しずつ位置を下げてしまう。

残り1周となる時点で7番手になってしまった梶原は最後のスプリント勝負で追い上げて、フィニッシュを5着とした。1着はウィルト(オランダ)、2着はバルサモ(イタリア)。

順位 チーム 選手名
1 オランダ WILD Kirsten
2 イタリア BALSAMO Elisa
3 フランス BERTHON Laurie
4 ポーランド PIKULIK Daria
5 日本 梶原悠未
6 ベラルーシ KOPECKY Lotte
7 イギリス BARKER Elinor
8 ノルウェー STENBERG Anita Yvonne
9 アメリカ VALENTE Jennifer
10 カナダ BEVERIDGE Allison

大会公式リザルト

第2種目テンポレース