特別昇級(特別昇班)ってどうすごいの?
そもそも「特別昇級」「特別昇班」とは何だろうか?
競輪選手にはランクがあり、2つの級(S級・A級)をさらに班で分け(S級S班〜A級3班)、6つの級班で区分される。通常は年に2回、そこまでの成績に応じて級班の入れ替えが行われる。
「特別昇級」「特別昇班」はその「年2回」を待たずにランクを上げる、実力者のための制度。
「特別昇級」「特別昇班」は「完全優勝(開催中全レース1着での優勝)を連続3回すること」または「レインボーカップ(A級1・2班と3班それぞれのトップ9が特別昇級をかけて競う年2回のレース)に出走し1着から3着となること」が条件で、なかなか実現するには難しい。
デビューしてまだ1年未満の117期。この難しい条件をクリアした選手が、すでに9人いる。
寺崎浩平
福井、26歳。早期卒業制度で他の同期生より早い、2019年12月にデビュー。2月にはA級2班に特別昇班し、3月にS級2班に特別昇級。
デビューから全て1着の18連勝によるS級特別昇級は、2008年1月にチャレンジレース導入以降、深谷知広(デビューから56日で達成、20連勝でストップ)以来2人目(デビューから69日で達成)の記録となる。
4月の小田原競輪(FⅠ)2日目に連勝記録は止められたが、この開催でS級初優勝。デビュー後79日間でのS級優勝となり、これも史上最速記録。
7月のサマーナイトフェスティバル(GⅡ)には史上最速で特別競輪出場、2日目のレースで1着となりデビューから178日(デビュー日含む)での、ビッグレース最速初勝利。8月のオールスター競輪(GⅠ)にはオールスター競輪選手選考委員会による推薦選手として選出され、初GⅠ参戦も果たした。
まだデビューから1年経っていないのに、書くことが多すぎる選手である。
またトラック競技日本ナショナルチームのBチームにも所属しており、パリオリンピックを目指し、競輪だけでなく競技にも意欲を見せる。
菊池岳仁
長野、20歳。早期卒業制度で他の同期生より早い、2019年12月にデビュー。2020年2月にA級2班に特別昇班。
在所時は1回目の記録会からゴールデンキャップを獲得し、早期卒業メンバーとして名前が挙がっていた。第2回記録会では400mフライングタイムトライアル、1000mタイムトライアルで養成所記録を出す。
トラック競技ナショナルBチームに所属。さらなる活躍が期待される。