『2020世界選手権トラック・ドイツ』、大会3日目には男子の個人パシュート、4日目には女子の個人パシュートが実施された。男子種目ではフィリッポ・ガンナ(イタリア)、女子種目もクロエ・ダイガード(アメリカ)の現世界記録保持者である両者が、それぞれ自身の持つ世界記録を更新。ダイガードについては予選と決勝で1日に2度の記録更新と、新たな伝説が誕生した。

個人追い抜きルール

1人で4km(女子3km)を走る。予選、決勝/3位決定戦と2回のレースを走り(勝ち上がれば)、予選のトップ2人が決勝で金メダル争いを行う。予選の3位と4位は銅メダル争い。決勝ではホームとバックからのスタートとなり、相手選手へ追いつく、もしくはタイムで優れば勝利となる。

特急列車のガンナ

現世界記録の保持者であるフィリッポ・ガンナ(イタリア)は今シーズンのワールドカップ初戦で2回の世界記録を塗り替えて、周囲を驚かせた。そのガンナが予選に登場すると、タイムを刻む度に会場が沸き上がる。

レースは最初の1kmこそ1分6秒と周りの選手と変わらないタイムで入ったが、その後は2km、3kmとタイムが落ちていかずに1km辺り58秒のペースで走っていく。

最後の1kmになってもペースは落ちず、フィニッシュタイムは4分01秒934。それまで世界記録だった自身の持つ4分02秒647をおよそ1秒更新して、今シーズン3回目(2回はワールドカップ第1戦で記録)となる世界記録の更新を果たした。2位はアシュトン・ランビー(アメリカ)で4分03秒640。決勝ではガンナとランビーが戦うことになった。

男子個人パシュート予選リザルト(PDF)

決勝

ガンナとランビーの対決は、さすがの2人も疲れたのか世界新記録更新はならず。

レースは序盤こそランビーがリードしていたものの、一定のペースを刻むガンナと徐々にペースが落ちていくランビーの走りには進めば進むほど差が出てくる。

最終的にはガンナが大きくランビーとのタイム差を広げ、4分03秒875でフィニッシュ。

対するランビーは大きく離されて4分08秒048でフィニッシュラインを超えた。この種目は圧倒的な強さを見せたフィリッポ・ガンナが優勝。世界選手権における個人パシュートで4勝目を挙げた。

2位はアシュトン・ランビー、そして3位決定戦を制して表彰台へと上がったのはコレンタン・エルメノール(フランス)。

男子個人パシュート決勝リザルト(PDF)

底なしのスタミナ、ダイガード