伊豆ベロドロームで開催されていた全日本選手権オムニアム。大会は2016年のアジア選手権を制し、東京オリンピックでのメダル獲得も期待される競輪学校生の橋本英也が優勝。各種目で強さを見せつけたものの、レース後のインタビューで、直前に弁当を食べたことでレース中に脇腹が痛くなっていたと明かした。

中村愛花が女子エリート優勝、男子予選は橋本英也・窪木一茂が1位通過/2017全日本選手権オムニアム

オムニアムとは全4種目で争われる混成種目(スクラッチ、テンポレース、エリミネーション、ポイントレース)。前日の予選は2組で行われ、各組1位の橋本英也(競輪学校)、窪木一茂(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)へ注目が集まった。

2017全日本自転車競技選手権大会オムニアム/マスターズ

窪木一茂(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)

ワールドカップ帰りの今村がスクラッチを制す

決勝1種目はスクラッチ。最終周回を前に集団から一歩前を進んでいたのはワールドカップ帰りの今村駿介(中央大)と、山下祥平(日体大)。集団の追い上げから逃げ切り、今村が1着を勝ち取った。2着は山下、3着は最終周回で凄まじい追い上げを見せた橋本であった。一方の窪木は11着である。

今村駿介(中央大)

今村駿介(中央大)

ほぼ4名の戦いとなったテンポレース

続くテンポレースは橋本、小林、近谷涼ブリヂストン アンカー サイクリングチーム)、渡邊翔太郎愛三工業レーシングチーム)の4名がほとんどのポイントを獲得するレースに。橋本がトップ(9Pts)、小林が2番目(4Pts)、近谷(3Pts)、渡邊(3Pts)となった。

渡邉翔太郎(愛三工業レーシングチーム)

渡邉翔太郎(愛三工業レーシングチーム)

橋本が余裕の勝利、エリミネーション

3種目目のエリミネーション、またも橋本が圧巻のレース展開を見せた。周回ごとに最後尾の選手が足切りとなる、このエリミネーションで最後の2人となったのは、橋本と近谷。橋本は1対1の勝負になる前に、近谷を半周以上離していたため、ゴール前で争うことなく余裕の1位であった。

近谷涼(ブリヂストン アンカー サイクリングチーム)

近谷涼(ブリヂストン アンカー サイクリングチーム)

最後の種目となるポイントレースを前にした、ここまでの暫定順位は以下の通り。

1位:橋本 英也 116Pts
2位:今村 駿介 102Pts
3位:近谷 涼 88Pts
4位:窪木 一茂 84Pts

最終種目、ポイントレース

ポイントレース前の橋本 英也(日本競輪学校)と近谷 涼(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)

オムニアムの勝敗を決する最後の種目、ポイントレース。橋本がこのまま逃げ切るか、はたまた今村、近谷、窪木らによる逆転劇が繰り広げられるのか。緊張の一戦が始まった。

レースは終始、大きな動きもなく、順調に橋本がポイントを加算していく。このポイントレースは橋本が最も得意とする種目でもあり、冷静なレース運びを見せつけた。ラストのスプリント勝負も橋本が1着となり、暫定順位を守りぬいた結果、2017年のオムニアム日本王者の座を手にした。

橋本英也(日本競輪学校)

橋本英也(日本競輪学校)

先頭を走る橋本英也(日本競輪学校)

男子エリートオムニアム 最終結果

順位 選手名 チーム Total Point
1 橋本 英也 日本競輪学校 129
2 近谷 涼 ブリヂストンアンカーサイクリングチーム 114
3 小林 泰正 日本競輪学校 104
4 原田 裕成 愛三工業レーシングチーム 103
5 今村 駿介 中央大学 102
6 窪木 一茂 Nippo-Vini Fantini 94
7 渡部 将太 法政大学 85
8 渡邊 翔太郎 愛三工業レーシングチーム 80
9 山下 祥平 日本体育大学 67
10 中井 唯晶 京都産業大学 62

大会公式リザルト

橋本英也選手 インタビュー