東欧ベラルーシで開催中の『2019-2020トラックワールドカップ第1戦』は11月2日に女子スプリントが行われ、世界チャンピオンである香港のリー・ワイジー(李慧詩)がロシアのアナスタシア・ボイノワをストレートで下し優勝。日本の太田りゆは予選通過を果たすも、オランダのシェーン・ブラスペニンクスへ破れ1回戦敗退となった。
予選
ヨーロッパ、アジアを中心に強豪国がエントリーした女子スプリントには、日本からは太田りゆが参戦。
このスプリント種目でオリンピック出場枠を獲得することで、ケイリンの枠も増えるため、日本チームにとっては、スプリントでポイントを稼ぎ出場枠を獲得することが今シーズンの大きな目標となっている。
太田もその現状をしっかりと理解し「少しでも上位を狙う」と大会前のインタビューで力強くコメントしていた。
上位に入るために重要となるのが予選のタイムトライアル。200mで行われるタイムトライアルによる順位で、その後のスプリントトーナメントの組み合わせが決定していく。
組合わせは上位と下位の選手が対戦することになり、また予選4位までに入れば1回戦が免除され、準々決勝への進出が決定する。つまり、トーナメントを優位に進めるために予選のタイムトライアルで上位に入ることが重要となる。
エントリーは38人。予選上位28人が次のトーナメントに進む。
最初に一番時計をだしたのは8番目出走、ドイツのトレードチーム「エアドガス」のグラボッシュでタイムは10秒805。
その後トップタイムは変わらないまま18番目出走の太田の出番が回ってくる。
「10秒台を出せる走りができている」と自信をのぞかせていた太田だったが、タイムはわずかに届かず11秒124。暫定5位で後続の選手たちの結果を待つことになった。
しかし出走順が後半になるにつれ、実績のある選手たちが登場し次々とタイムが更新されていく。そうした中、ドイツ注目のルーキー、リー ソフィー・フリードリッヒが10秒584をだし、残り6人を残してトップに立つ。
残すは世界王者リー・ワイジー(香港)、ヨーロッパ大陸王者アナスタシア・ボイノワ(ロシア)といった強豪選手たちとなったが、フリードリッヒのタイムに及ばず、予選トップはドイツのフリードリッヒ。今年エリートデビューを果たしたばかりの19歳が台風の目となる予感を残す。
太田の予選順位は最終的に23位。予選を通過し1回戦に進んだ。