自転車競技者として生きる難しさと、日本との差
Q:オランダの選手たちの生活についてもお伺いします。例えば、ラブレイセン選手だったら個人スポンサーがたくさんいる中で、お金に困って競技が続けられないことはないと思いますが、一般的な選手たちはどういう形で競技を続けていますか?
オランダでは年に2回、次の年の査定のようなタイミングがあります。世界選手権と欧州選手権ですね。世界選手権でトップ8に入るか、欧州選手権でトップ4?かトップ5?どっちだったかな、ではありますが、どちらかに入るかです。
どちらかに入った場合に次の1年間は助成金が出る形になります。その助成金は基本的な活動費なので、そこまで多くはありませんが、最低限競技を続けていくことができる金額です。
僕の場合は個人的なスポンサーがついてくれているので、助成金にさらに追加されていきます。個人スポンサーがついている選手は、動画を撮ったり、ソーシャルメディアのいろんな発信をしたりすることが条件になってくるので、応援してくれてる方々と一緒にやっています。
でも助成金を得ているのは、本当に何人かのトップ選手たちだけなので、厳しい世界です。
それ以外の選手たちは、補助が無い中でやっているので、世界のトップ8に入るまでが本当に厳しいという現実があります。個人スポンサーを探して活動資金を得ることを目指しますが、トップ8に入っていない選手たちは、知られてもいない選手ということでもあり、サポートを受けるのが難しいという事実もありますね。
Q:日本には競輪という文化があり、お金が稼げる選手たちがいるということはご存知だと思うんですけども、そういったところは羨ましいと思いますか?
ものすごく良いシステムだと思います。ここにはたくさんの競輪選手がいますし、オランダと比べて選手の人数がすごく多いと思うんです。短距離の選手にとってはすごく良いシステムだと思います。
選手として、プロとして競輪を走れるところが、他の国の選手たちとは大きく違うなというふうに思います。稼げて走れるということが、いろんな人たちに対して扉が開いてることに繋がるならば、すごく素敵なことです。
実際に、今回の僕はお金を稼ぐ特別な競輪の世界に入っていきます。今回こうやって勉強をして、試験をする。競輪を知る上でとても意味のあることだと思います。同時に日本の競輪を走ることはそんなに簡単なことではないとも体感しています。
世界でともに戦う日本人と競輪で相まみえる
『2026ワールドカップ第2戦』スプリント準々決勝での太田海也とのレース
Q:世界のトラック競技の舞台で活躍する日本人選手たちと日本の競輪で戦ってみたいという気持ちはありますか?
それができれば、すごく素敵なことだと思います。ただ、僕たちが彼らと戦ってきたのはすごく大きなギアで乗るレースでしたが、日本の競輪だと小さなギアで乗るという違いがあります。
どれくらい彼らが持っているパワーを発揮できるのか、どういうレースをするのかみたいなところは気になるところではあります。 世界の舞台で頑張ってきた選手たちは知っていますから、日本で会えることはすごく楽しみなことだなって思っています。
Q:競技レースと違ってコンタクトが結構ある部分もあります。そういったところは大丈夫でしょうか?
うーん、新しいことなので、その点は学んでいかなければいけないなと思っています。 でも実際のレースでないと学べない部分があると思うので、レースから学んでいきたいなと思っています。
Q:ローラーに乗って左右にぶつかる練習っていうのはしないですか?
やってみたいと思います。先日、リチャードソン選手がSNSに上げてるのを見たんですが、やっぱり日本の選手のようにはできていなかったので、試してみたいと思います(笑)
Q:日本にいる間にやりたいこと、どこかに行きたい、何かを食べてみたいとか、そういうことはありますか?
5月に日本でちょっとした休暇を得たいと思ってます。行きたいところでいうと、やっぱり東京は行きたいですし、沖縄にも行きたいと思っています。食べたいものだと、有名な和牛は食べたいですね。すごい好きなんです。 寿司も好きですね。特にマグロがヨーロッパより全然美味しいんで、マグロもすごく好きですね。アムステルダムでマグロを食べたことがあるんですけど、全然こっちの方が美味しい。
Q:世界中からいろんな方たちが来ているので、その国の特徴的な食べ物をみんなで持ち寄って、どれが美味しい、不味い、みたいな話をしてみたいと思うんですけど、そういうのって興味ありますか?
トライはしてみようと思います。でも臭いのとかだと、具合が悪くなるのであんまりやりたくないかな(笑)
「競輪ワールドシリーズ」とは?
1982年より「国際競輪」としてスタート、2009年より「短期登録制度」として行われていたた外国人選手招聘レース。新型コロナウイルス感染症の影響などもあり2020年度以降中断されていたが、7年の時を経て復活する。
2026年6月より実施
「競輪ワールドシリーズ」として、2026年6月から8月にかけて10節が実施される予定の外国人選手招聘レース。男女それぞれ3名ずつが招聘され、男子は「G3又はF1」、女子は「F1」に出場することとなる。
2026年8月6日(木)〜9日(日)にかけては和歌山競輪場にて「ワールドサイクリスト支援競輪」が開催。女子選手はこの開催内で単発レースが行われる予定。
招聘選手一覧:
ハリー・ラブレイセン
マシュー・リチャードソン
ジョセフ・トルーマン
ヘティ・ファンデルワウ
マチルド・グロ
エレセ・アンドルーズ