4車連携の近畿勢 その並びにも注目?

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競輪に専念し、増していく存在感

日本の競輪に専念する形となり迎えた2024年。
上半期はなかなかG1の決勝に上がれない戦いが続いたが、『寬仁親王牌』『競輪祭』で連続して決勝へと進出。強力な近畿ラインの先頭を駆け、存在感をぐんぐんと増していく。

『KEIRINグランプリ2024』直前に脇本雄太に行なったインタビューでは、寺崎に話が及び、「“こいつG1を獲ってもおかしくないな”と思う瞬間って来るんですよね。その時に、“獲れ’って言うかもしれません」と語られている。

脇本、古性が口にする成長の証

2025年に入っても、さらに強まっていく寺崎の存在感。

最初のG1である『全日本選抜競輪』決勝では、残り半周から圧巻のスピードで捲りを開始。最後に脇本に差されたが、その脇本をして「すごい伸びでした。本当に心強い後輩だと思います」と言わせる走りを披露。

3月の『ウィナーズカップ』決勝も、着順こそ8着ではあるが、残り1周半で捲りを開始した郡司浩平に合わせ前を確保。レース後の古性は、脇本と同じく「これまでで一番、寺崎のレベルアップを感じた」と評価した。

迎えた、戴冠の瞬間

そうして迎えた、『第68回オールスター競輪(G1)』。準決勝が終了し、近畿勢は寺崎のほか脇本雄太、古性優作、南修二の4車が決勝へ進出。
その4車の並びを問われると、寺崎は「脇本さん、古性さんに“ハコ(2番手)回れ”と言ってもらえた」と、近畿ラインの番手でレースを迎えることを明かした。

レースでは、強烈な先行を見せた脇本に乗り、古性との直線勝負を制して見事に1着でフィニッシュ。

デビュー前から憧れ続けた偉大な先輩、そして近畿の選手たちからの信頼を築き上げ、そしてその信頼に応えるような伸び脚を見せ、悲願の初戴冠を果たした。

決勝後は喜びとともに、「脇本さんは自力でタイトルを何個も奪っている選手。それに続きたい」と次なる目標をすかさず口にした寺崎浩平。
憧れの先輩へ追いつくまで、まだまだストーリーは続いていきそうだ。

今後の活躍を、そしてこの初戴冠で手にした年末の走りを、楽しみに待ちたい。

「最初で最後のチャンス」寺崎が強い気持ちで手にした初タイトル / 『第68回オールスター競輪(G1)』決勝 函館競輪場

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