ベルギーのアスリート援助体制

世界チャンピオンなのに、援助は最低ランク

今は自転車競技だけで生計を立てているのでしょうか?

基本的には政府からの援助金をもらっています。お金は…まだ実家に住んでいるおかげで、少し貯金ができるくらいです。ベルギー政府の選手へ対する援助金の金額は、成績ではなく最終学歴で決まります。

私は高校を出てからWCCに行ってしまったので、一番低いランクの援助金しか出ません。もし大学に行き、医師の資格を取っていたら、選手でも高給になるんです。

競輪学校にて/挨拶をしに来た前田選手と握手

では、これから大学へ入る事を考える、なんてことも?

それはないです。でも、引退したらトレーナーの資格は取りたいです。私がジュニアからエリートに上がるまでに苦労をしたので、その苦労を他の人にさせたくないと思っています。他の人の手助けになるのであれば、喜んでやりますよ。

エリートになるまでの苦労

そのジュニアからエリートに上がるまでの「苦労」とは?

ジュニアの頃は、なんというか…全てが上手くいっていたんです。もちろん努力はしていましたが、今ほどではありませんでした。

2014年のジュニア世界選手権でチャンピオンになったものの、その後のエリートの欧州選手権、ワールドカップでは散々な結果で、エリートの世界選手権には出ることすら適いませんでした。

この時初めて「このままではダメだ、もう二度と世界選手権出場を逃すなんてことはしない」と思いました。

実際に苦しい思いをしたのは1~2年程度ですが、とても厳しい時期を過ごしたので、その思いを他の人たちにはして欲しくありません。

Nicky Deglendere (BER)

笑顔の裏には苦労あり

そして世界チャンピオンにまで駆け上がりましたが、これは夢を叶えたという事でしょうか?

アスリートとして、一番になりたいと思うのは普通のことだとは思うのですが、自分ではまだ自分の成し遂げたことが信じられないですね。

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