2018年5月4日〜5月6日の西武園競輪場で行われたレースで初出走、初戦を優勝で飾ったケイリン世界女王ニッキー・デグレンデル。
競輪初来日の彼女には記者会見直後、独占インタビューを実施するチャンスを得た。母国ベルギーの自転車事情、トラック競技への想い、そしてちょっと気になるプライベートまで、若くも強さを備えた魅惑の世界女王にグッと迫ったぞ!
世界タイトル獲得は本当に大きなこと
世界選手権で初めて優勝から時間が経ち、少しは落ち着かれたと思いますが、世界チャンピオンの実感は湧いてきましたか?
走り終わった直後に比べたら、少しは現状を理解できてきたのかなと思います。実際にチャンピオンジャージを着てレースを走った時に、自分が成し遂げたことに、本当の意味で気づくのかもしれませんね。
今はチャンピオンジャージを着るのは日々のトレーニングなので、実感はまだそんなに湧いていません。
クリスティーナ・フォーゲル選手だけではなく、他の強敵もいた中で、世界選手権で私が優勝できたことは本当に大きなことだと思っています。
タイトルを獲ったことで、何か身の回りに変化は起きましたか?
そんなに大きな変化はありませんね。
他の人とは少し違う形でプレッシャーへの対応をしていたこともあり、世界タイトルを獲る前は周りからは「うるさい」とか「集中力が足りない」とか言われてました。周りとちょっと壁があったというか…。でも今は以前より、そういった部分も含めて他人から尊重されるようになったと感じています。
トレーニングメニューはチャンピオン自ら組み立てる
練習はどのようにされてますか?
自分でトレーニングプログラムを組んでいます。スイスWCC(ワールドサイクリングセンターの略称、UCI直轄のトレーニングセンター)時代のコーチが今もスイスに居るので、コーチの知恵も借りながら一人でやっています。
ベルギーのナショナルチームにはスプリントのコーチが居ないので、自分でメニューを作り一人で練習しと全部自分でやります。結構キツいですよね。このスタイルは今年の1月から始まりました。
それ以前は強化プログラムがWCCのコーチにより組まれていて、世界選手権などの大きな大会に向け、やる事は明確になっていました。今は自分一人でやっているので、余計なストレスを感じます。連盟がコーチを雇ってくれることを願っている状態です。
ベルギーの選手層…女子はニッキーだけ!?
世界チャンピオンはいるのにコーチは居ないと…不思議ですね。ベルギーの自転車競技連盟には話を?
してますけど、やっぱり「予算が無い」と言われてしまいました(笑)
話を聞いていると、ベルギーで成功しているスプリンターはデグレンデル選手だけのようですが、実際は他にナショナルチームへ入れるような選手はいますか?
男子にはエリートで戦う選手が1人、あと何人かがトレーニング中だとは知っています。でも、誰がどこまで本気なのか判らないですね。女子には1人も居ません。