日本で最も古いのは?
各競輪場の開設時期に関する一覧は、残念ながら見つけることができなかった。そこで今回は、日本で初めて「競輪が開催された競輪場」を代わりにご紹介する。
日本発祥の「競輪」が初めて開催されたのは1948年11月20日。
その会場は福岡県北九州市にある小倉競輪場。つまり、小倉競輪場は競輪の聖地と言える場所なのだ。
元は「国体のための競技場」
1948年に北九州市(当時は小倉市)は、同年10月の「第3回国民体育大会」における自転車競技の開催地となることを引き受けた。同年4月には、自転車競技法の法案が国会で議論されていたこともあり、国体のために建てる競技場をそのまま競輪場として活用しようする動きが生まれていった。
そして同年7月、「戦災都市復興および自転車産業振興」を目的とする自転車競技法が国会で可決され、公営競技としての競輪がスタートすることに。
小倉競輪場はその第1回レースの開催地に選ばれ、1948年11月に記念すべき最初の競輪レースを開催。4日間に渡り実施された本初開催では、約55,000人が入場した。
1998年、小倉競輪場は「北九州メディアドーム」としてリニューアル。コンサートなどのイベントも開催できる、数少ない屋根付きのドーム型の競輪場となった。
2022年「競輪祭(G1)」が11月22日から開幕
年に6回しか開催されないG1レース。年末のKEIRINグランプリを前に、毎年小倉競輪場にて開催される最後のG1レースが「競輪祭」。
競輪祭は競輪が1948年に小倉競輪場で開催されたことを記念して、1951年より始まったもの。70年以上続く競輪の歴史を体感できる開催だ。第1回開催には女子の競走も行われている。
開催名から垣間見る歴史
2002年の第43回から、朝日新聞社より社杯が授与されるようになり『競輪祭朝日新聞社杯争奪競輪王決定戦(G1)』という名称に。そして第51回(2009年)より『朝日新聞社杯競輪祭(G1)』に変更され、現在に至っている。
ちなみに「競輪祭」というタイトルは、小倉競輪で第1回競輪祭が開催されたときには、既に各地の競輪場で使用されていた。
しかし、「競輪発祥を記念するため、廉(かど)があるごとに小倉競輪場において実施する」と通産省(現経済産業省)が通達し、他地区ではこのタイトルを使用しないという合意に至った。
そして『第64回朝日新聞社杯 競輪祭(G1)』は2022年11月22日〜27日に開催される。
また競輪祭内では「ガールズグランプリトライアルレース」も実施される。年末の『ガールズグランプリ2022』への出場権を獲得できる唯一の特別レースだ。
ぜひ、競輪や自転車競技の歴史に思いを馳せながら、KEIRINグランプリシリーズに向けた戦いを見届けてほしい。
競輪祭とは(2018年競輪祭特設ページ) , 小倉けいりん「第1回競輪祭開催」