英知の吸収、今後のために
練習、実戦、環境、現状・・・様々なことをデータ化し分析、原因の究明をしていく。しかしこれは「今の環境」だから出来ることなのではないか?今後、HPCJCが世界中から集めた知恵(人)が居なくなったら、問題が起きるのではないか?
これまでの記事で紹介したように、現在HPCJCには世界トップの知恵と経験が集まっている。いつかは、彼らの去る時が来る。その時を迎える不安、そしてもっと現状を良くしていく責任感がよぎる。
「今は世界からトップの頭脳を集めて戦っています。でも将来的には、その知的財産を日本に残し、発展させていく必要があると思っています。HPCJCのスタッフには、他競技を含めたサポート活動の経験が豊富な人材が集結していて、それが僕たちの活動にとって有益に働いていることは確かです。
それに対して僕は自転車競技での現場経験しかありません。でもだからこそ、競技者の経験を持つスタッフとして、今ある財産を残していくことへの使命感を強く持っています。
世界に名だたるコーチたちが4年間という期間を使い、どのような考えでチームを作っていくのか。まだ僕はその一部始終を目で見て、感じることは出来ていません。ですから、東京オリンピック終了後、パリオリンピックへのコーチたちの取り組みを近くで見て、吸収して、そして成長していきたいと思っています。その上で何が必要なのか、本当にハイパフォーマンスの現場に必要な研究とは何なのか、それを突き詰めていきたいです」
HPCJCのスタッフを紹介するこのシリーズ。今回は表に中々出てくることのないサイエンスチーム、その一役を担う橋本直さんを紹介した。今後日本が更に強くなる鍵を握るサイエンスチームの活躍、それは我々の目に見えない事なのかもしれないが・・・・・
結果がその効果の程を物語ってくれるだろう。