変化は「なし」、垣根も「なし」

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ガールズケイリンと競技のケイリン

Q:日本の競輪と競技のケイリン、女子だとルール面では割と近いと思うんですが・・・

と思われがちですが、全然違うんです!

私自身、まだ競技のケイリンの経験は浅いですが、その浅い経験の中でも「まったく違う」という認識です。

Q:ぜひ詳しくお願いします!

物理的な面では、ギアの重さ、自転車の違いがあります。見る側からはあまり感じられないかもしれませんが、走る側からすると圧倒的な違いです。

競技のホイールだと、ちょっとでも横に動いたら大きく煽られてしまうので、ガールズケイリンの時のような細かな動きはできません。

1st Round / Women's Keirin / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP IV, Cambridge, New Zealand

競技用のホイール

KEIRINグランプリ2019 ガールズグランプリ

ガールズケイリンのホイール

ガールズケイリンならちょっとした動きや少しのミスをリカバーできるのですが、競技の自転車だとそうはいきません。250mの小さなバンクですので、ちょっとのことが大きな差として出てしまいます。

また、競技はギアがかかっている分、何回も仕掛けられることが面白いところだと思います。ガールズケイリンだとギアが軽いので、チャンスは1、2回しかありません。

Q:競技の方が250mで周長が短いので、より大きなバンクで行うガールズケイリンよりも仕掛けるチャンスが少ないイメージでした。

競技の方がバンクの周長は短いですが、誘導退避がガールズケイリンより早いんです。残り3周で退避するから、実質750m残っています。ガールズケイリンだとおよそ600m。150m違うと、全然違います。みんなが躊躇する時間も、仕掛けるポイントも大きく変わってきます。

走っていると違いがよくわかりますが、見ている人にはあまりわからないですよね。だからこそ伝えたいなと思っています。

Q:それだけ違うと、競技と競輪とで切り替えが大変そうです。

ガールズケイリンにはガールズケイリンの、競技には競技の走り方があると思っていて、それを自分の中で見つけられているので、大丈夫だと思います。そこを「同じもの」として捉えてしまうと、ドタバタして難しくなるんでしょうね。

競技でやっていることをガールズケイリンでやろうとすると、上手くいかないと思います。力の差で勝つことはできますが、技術の面では多分うまくいかない・・・

ナショナルチームだからこその課題

梅川風子

Q:競技で鍛えたことで、ガールズケイリンにも活かせることは何ですか?

まずは脚力ですね。これは圧倒的に優位に立てます。ただ圧倒的に優位に立つことで、レース展開で不利になる。要は「警戒される選手になる」のですが、これが一番困るポイントです。そうなったら自分からチャンスを作らなくてはいけません。そこが課題だと思っています。

Q:「自分でチャンスを作る」とはどういうことですか?

ケイリンは人数がいるぶん読みにくい部分がありますが、具体的にいうと「裏をかく」です。他の選手の裏をかく走りをする。他の選手が想定していないことをする・・・ですね。そしてその際たる種目はスプリントです。スプリントは完全に頭の勝負ですね。それに最近気づきました!

スプリント、チームスプリント、そしてケイリン

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