HPCJCって何?全体統括のミゲル・トーレス氏インタビュー

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HPCJCの立ち位置

Q:その為には理解者と、多くのサポートが必要だと思います。今のHPCJCの組織的な立場とは?

自転車競技連盟(通称JCF)の下部組織という立ち位置です。そして公営競技である競輪の『国際自転車トラック競技支援競輪』という開催の売り上げから、大きな援助をしてもらっています。競輪界、そしてJCFの助けなしにはHPCJCの運営は出来ません。もちろん、他にもお世話になっている組織はあります。

Q:あなたから見て、世界各国のトラック競技強化事情はどうでしょうか?

国々で事情が異なり比較は難しいですが、イギリスが最も洗練されていると言えます。

イギリスはオリンピックメダルの生産工場です。メダルの数で考えるのが最も正確だと思いますが、他のどの国の追随も許さないのがイギリスです。才能の発掘・育成などがシステマチックに行われていますし、何よりも彼らの強みは「オリンピックに集中できること」です。

世界選手権ですら準備の一つと考えているのがイギリスです。他の国は世界選手権で結果が出なければ強化費や政府の補助金に影響が出ます。一方でイギリスはオリンピックの結果が全てです。私が知る限りイギリスのような考え方でレースをしていたのはホアン・ジャネラス(Joan Llaneras スペイン出身、オリンピックで2個の金メダルを獲得)だけです。彼もオリンピックだけを考えて走っていました。

ですから2021年の東京オリンピックはとても面白く、異なった視点で見ることが出来ます。2020世界選手権のオランダ男子チームスプリントのように驚異的なパフォーマンスを見せても、オリンピックになればイギリスが魔法をかけて主役になってしまう。それが今のトラック競技の世界の実情です。

オリンピックが開催されるとしたら、どのようになるのか?本当にオランダを超えるパフォーマンスをイギリスが発揮するのか?それを見るのは楽しみでもあります。オランダもトレーニングセンターを設けていますが、ここ2~3年で結果が出てきているように感じますね。

日本の可能性

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