どうなる?マディソン選考基準

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訪れた「マディソン」という転機

Q:そのような経緯があって、チームとしての強化対象を個人種目のオムニアムと、ペア種目のマディソンに切り替えたんですね。中村選手にとって、結果的にはオリンピックに繋がったということでしょうか?

結果的には・・・・ですね。以前はチームパシュートが第1優先だったので、マディソンに繋がるようなトレーニングはまったくできていませんでした。レースに出る機会も何回かあったんですが、全部リザーブのリザーブ、くらいのポジション。他のメンバーが熱を出し、落車し、「もうどうしようもない」という時だけ自分がマディソンを走っていました。

でもマディソン自体は、見るのも走るのも好きだったんです。諦めきれない感じもありました。だからコーチが変わり、強化種目が変わったタイミングで「最後のチャンスだ」と思いました。

Q:どのような流れでマディソンを走ることになったのでしょうか?

以前からマディソンの交代に関しては「よく飛ぶ」と褒められていたので、もともと少し自信はあったんです。でもそれを披露する機会がないまま過ごしていました。

※「よく飛ぶ」=交代時に選手同士で手を繋いで放り投げるが、この投げが上手いと、交代選手も飛んでいく様に大きく加速する事ができる。

2019年の夏、合宿やジャパントラックカップではスペインから短期で来たジャネラスコーチに指導してもらっていて、それ以外にも稀絵と2人で遠征に行ったりしていました。

クレイグが来たのが2019年9月の全日本選手権の頃でしたが、その全日本選手権のマディソンにカジと出場し、優勝しました。正式に就任したクレイグが過去の映像や成績を見てくれて、合宿を経てからのアジア選手権にマディソンで出場する流れになりました。

中村妃智&梶原悠未

そのアジア選手権では大失敗したんですが・・・それ以降にマディソンの選考対象の選手として見られるようになったんだと思います。

Q:それは韓国の2020アジア選手権の話ですね?しかし以前のマレーシアの2018アジア選手権でも、梶原選手と中村選手が走っていた記憶があるんですが・・・

あれ、リザーブだったんですよ(笑)

あの時、リザーブの名前は全て私にされていたんです。あの大会ではみんながバンバン熱で倒れたので、代わりに全部私が出て・・・その結果、データとして残るレースをひとつ積み上げることができたのでラッキーでした。

Q:それを考えると、運もそうですが、積み重ねですね。

その次のアジア選手権もアジア大会も全部走っていなかったし、マディソンの練習には参加せずにチームパシュートの練習をしていたので、経験はすごく少なかったですね。

「カジが一番強い」

Q:梶原悠未選手がオムニアムで世界一になった時は、どう思いましたか?

「獲ると思ってた」って感じです。ワールドカップなどで他の海外の選手とも走りますけど、カジほど「うわー強いー!」って感じる選手はいません。カジが一番強いと思ってました。

梶原悠未

Q:良い刺激になりますよね。

そうですね。「私がちゃんと前にいれば、マディソンでもポイントは獲れる」って感じです。プレッシャーというか、役割がよりはっきりしたと思います。「カジが私の走りをカバーしなきゃいけない」ということは絶対避けないといけない。スプリントに全てを集中してもらえるよう、頑張ります。

本来よりも1年間時間が取れたので、第一に持久力、その次にパワーを上げ、カジのスプリントへ繋げます。

今までウェイトトレーニングをほとんどしていなかったので、それもやっていきます。パワーや瞬発力もまだ伸びると思いますし、きちんとカジに繋げることさえできれば、東京五輪でメダルに手が届くと思っています。

後編へ続く

【後編】独りでは歩めなかった道、東京オリンピック女子マディソン代表 中村妃智インタビュー