8月中旬『2019 JAPAN TRACK CUP I/II』の直前、トラック中・長距離ナショナルチーム強化指定A選手が伊豆ベロドロームへ集められた。目的は“マディソン”の強化。
東京オリンピック、その先の2024パリ・オリンピックを見据え、スペインの元世界王者 ホアン・ジャネラス指導によるマディソンの短期合宿が行なわれたのだ。
参加メンバーは女子4人(梶原悠未、古山稀絵、中村妃智、鈴木奈央)、男子3人(今村駿介、窪木一茂、橋本英也)の選手たち。
ホアン・ジャネラスのプロフィール
1969年生まれ、マディソンとポイントレースを得意としていたスペインの名選手。世界選手権は両種目通算7つの金メダル、オリンピックでも2つの金メダルを獲得している。北京オリンピックで金と銀の2つのメダルを獲得したのち、同年中に現役を引退。その後は指導者として活動している。
オリンピックでの成績
1996年アトランタオリンピック | 27歳 | チームパシュート | 5位 |
ポイントレース | 6位 | ||
2000年シドニーオリンピック | 31歳 | ポイントレース | 1位 |
マディソン | 13位 | ||
2004年アテナオリンピック | 35歳 | ポイントレース | 2位 |
マディソン | 6位 | ||
2008年北京オリンピック | 39歳 | ポイントレース | 1位 |
マディソン | 2位 |
マディソンにおける日本チームの現状
マディソンにおける日本のオリンピックランキングは男子が28位、女子が10位(いずれも9月10日時点)。
女子は10月のアジア選手権、11月からのワールドカップシーズンなどでポイントを稼ぐことが出来れば、東京オリンピックに出場することも可能だ(上位8カ国が出場権を獲得・・・本当はもっと複雑なのでリンクをどうぞ!)
取材時に行われていた練習は、速いスピードで交代する時のテクニック。
写真では伝わりにくいかもしれないが、バイクペーサーで速度を上げての交代は想像以上に難しく、成功すれば休んでいた味方がロケットの様に飛んでいくが、失敗すると交代時にスピードが落ちてしまったり、再び元のスピードに戻すまでに体力を使ってしまったりする。
また、交代時の理想的な位置取りなども入念に指導が行われていた。
今回の合宿は女子が東京オリンピックのマディソン種目に出場出来る可能性が高いため、女子の選手たちの強化をすること、そして男子はパリ・オリンピックに向けての長期的な目線での強化を目的に行われていた。
ジャパントラックカップでの結果からも分かるように、合宿は短期間ながら効果的であったことは間違いない。