トラックナショナルチームの中長距離種目を走る選手たちの中から競輪選手養成所へ入所する3人(窪木一茂吉川美穂新村穣)へ入所直前にインタビュー。後編ではトラック競技と競輪の違い、垣根を越えることへの思いなど「中長距離の選手だからこそ」の思いが熱く語られた。

【前編】窪木一茂/吉川美穂/新村穣3選手へ入所直前インタビュー・トラック中長距離から競輪へ【お元気ですかナショナルチーム】

早期卒業するのは誰だ?

窪木:早期卒業するのは吉川さんじゃないかなと予想しています。

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Q:それは噂の”吉川美穂、計測でマックス1200W説”が根拠?

吉川:(笑)

Q:でも1200Wはヤバいですよ。それを聞いたブノワコーチがびっくりしてました。

吉川:でも最近体重増えてワット出なくなったんです。普通逆ですけど。

競技と競輪の違い・難しさ

新村:窪木さんって、実際に競輪の自転車でどれくらい走りました?

窪木:3月に街道2日間、バンク練習1回。その時に1kmタイムトライアルを試してみたんだけど、風が強くて1分9秒かな。色々課題はあるけど、とりあえず1分9秒台は出るんだなと思って、ちょっとホッとしたかな。

吉川:新村くんはタイム計った?難しい?

新村:そんなに不安とか無かったんですけど、先日、川崎競輪場で競輪選手たちとの練習でボコボコにされたので「こんな感じなんだ」って・・・難しいですね。ペダルとシューズの固定方法が違うのが結構大きいと思います。

窪木:機材の違いは結構重要だよね。吉川選手はもう競輪のピストバイクに乗っているんですか?でも女子はカーボンだから同じか。

吉川:一緒と言っても全く一緒ではないですよ。試験時はブリヂストンTR9のSサイズに乗っていたんですけど、和歌山支部から借りたものだったので、フレームを新しく用意しなければいけなくて。師匠と相談しながら探してたんですけど、なかなか見つからなくて・・・見つかったのがTR9のMサイズ。フレームサイズが変わっちゃったから、最近はポジションをいじったりしていました。
でも走れるバンクがないからローラーに乗るだけで、外には1回も走りに行けてなくて・・・この調子で入所後走れますかね(笑)

新村:自分もロードが多くてトラックでの練習が全然できていません。それで久々にタイムを計ったら結構やばいタイムだったんです・・・中長距離の選手には、そういう戦いもあるんだなって実感しました。

Q:ちなみに競技で、機材を全部揃えた上での200mタイムトライアルのベストタイムは?

新村:10秒4とかは出したことあります。

吉川:練習中のタイムですが、11秒3でした。でも外のバンクで400mだと駆け方も変わるし、苦手な印象です。

窪木:僕は10秒6ですね。でも250mバンクのカント(傾斜)を使って勢いをつけた状態での話です・・・ロードーレーサー上がりの僕らは、養成所内の試験で使われる軽いギアをどう克服するかも問題だなと思っています。

中長距離選手だからこその戦い方

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