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厳しい養成所生活

Q:養成所には何を持ち込みますか?

新村:収納場所も限られるから、持ち物は限られますね。大きなトレーニング器具とか・・・

窪木:自分は、ひっかけ棒と収納ボックスを買いました。タンスの中は木の匂いがキツいらしく、敷くものを持って行ったほうが良いとも聞いて。あと、プロテインは学校内で売っている物しかダメと聞きました。

新村:食品は持ち込んじゃダメなので。

橋本英也だから出来るのか?

Q:競輪は中長距離の選手にとって身近ではないと思います。異なるフィールドへ進む事に、抵抗感はありましたか?

吉川:競輪という種目に抵抗感はありません。でも競輪養成所へ1年近く入ることには、今まで抵抗がありました。高校卒業後すぐの時期にも考えてはいましたが、色々あってロードレースやトラック競技などを経験し、一昨年くらいからトラック中長距離を本気でやるようになりました。自転車選手として生きていくにあたり、ロードは稼ぐのが難しい。「自転車競技を続けながら稼げるのは競輪だな」と思い、去年競輪選手養成所を受験するに至りました。

新村:自分は高校の時「競輪選手になることはハードルが高い」と思っていました。当時は受験して受かるレベルでもありませんでした。でも大学の4年間を過ごし「トラック中長距離を続けたい」と思うようになってからは、競輪に対して(レベル的な)ハードルよりも、環境に対しての抵抗感が生まれました。月に2〜3回の競輪あっせんのために、日本国内へ留まらなくてはいけないし、スケジュールやトレーニングの管理を自分でするのが難しいと思っていました。
CS Slingerというチームを自分で作り、トラック中長距離選手が「この先どう続けていくか、どうパフォーマンスを高めていくか」ということを模索していた時に、橋本英也選手が言ったように「日本の競輪」という環境をプラスに使っていけるんじゃないかと思ったんです。それで今回、受験をして競輪選手を目指すことになりました。
橋本選手は競技でも活躍していますが、それが「橋本英也だから出来る」のか「自分たちがやった場合、もっと出来る事があるのか?」という問いにチャレンジしていきたいと思っています。そうして「後に続いてくる人たちのために道を踏み固めていけたら」とも思っています。

窪木:実は、大学卒業時に競輪学校(現:競輪選手養成所)を受けているんです。その時は色々あって試験に落ちたんですけど、他の受験者とのやる気の違いをすごく感じました。みんな坊主で、一言も喋らなくて。競輪への意気込みをすごく感じたんですよね。その受験時の、他の受験者たちの気合がとにかく印象的で、それからずっと『競輪』が頭の中にありました。強い競輪選手が地元にいたりもするし、佐藤慎太郎さんは高校の先輩です。

KEIRINグランプリ2019 佐藤慎太郎

KEIRINグランプリ2019優勝:佐藤慎太郎

それに加え、ブノワ・べトゥ短距離ヘッドコーチの存在です。『世界に通用させるトレーニング』の緊張感や、素晴らしい結果を目の当たりにしてきました。

Final / Men's Team Sprint / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP IV, Cambridge, New Zealand, ブノワ・ベトゥ

ブノワ・ベトゥ 短距離ヘッドコーチ

そういう、ぎっしり詰まったものが日本にあるのなら「それを利用してもっと強くなれるのでは」という思いが強くなりました。また、イチから自転車を勉強する意味も含めて挑戦を決めました。養成所の生活で抵抗感を感じる事は無いです。

三者三様の目標

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