ナショナルAチームに合流して3週間、憧れていた人と一緒に練習する日々
Q:影響を受けた選手はいますか?
高校から自転車を始めて、渡邉一成さん、新田祐大さん、脇本雄太さんの走りをずっと参考にしていました。競輪の走りも見てましたし、競技の走りもYouTubeで何回も見直したり。
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渡邉一成
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脇本雄太
高校の時から特に見ていたのは新田さんですね。力強い走りとか、スタンディングとか。まさかこの人と一緒に走れるようになるとは思わなかったですけど。
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新田祐大
今ナショナルチームのBチーム所属で、ワールドカップ出場が決まってからAチームと一緒に練習していたんですが、憧れの人と一緒に練習すると、やっぱりモチベーションは上がります。話しかけてくれたりもしますし、休憩中の椅子の位置もすごく近いんですよね。いろんな話も聞かせてくれます。
AチームもBチームも和気藹々とはしているんですけど、Aチームは常にブノワコーチが見ていて、ちょっとしたミスも全部見られてて、一つ一つ頭を使わなきゃいけないし、練習の密度が違う感じです。練習メンバーも自分よりレベルが高い人たちばかりだから気が抜けません。
Q:ナショナルで一番仲がいいのは?
Aチームだと松井さんですね。松井さんか、それか雨谷さんか。新田さんとかは恐れ多くて自分からは行けない。脇本さんや深谷さんも・・・まだ合流して3週間くらいしかないので。女子だとりゆさんとはちょっと喋ります。優香さんとは時々くらい。
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Q:ブノワコーチはどんな人ですか?
指導がとても的確です。褒めてもらえることは少ないのですが、ちゃんとできれば褒めてもらえます。日本の競輪のレースもちゃんと見てくれていて、どういうところが良かったとか悪かったとか言ってくれます。日本の競輪の方でもいい結果に結びつくように思います。
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ブノワ・ベトゥ短距離ナショナルチームヘッドコーチ
Q:ハロン(助走を付けた200mタイムトライアル)のベストは?
練習続きでずっと疲れが抜けない状態だったんですが、Six Dayで少し練習が止まって、移動して中4、5日で調整的な練習をしたら急に9秒8がW杯で出ました。ベロドロームでこのタイムが出せたのは初めてです。これまでの自己ベストは松本の333mバンクで9秒8で、ベロドロームでは9秒99でしたので、(第1戦の時は)すごく良い調子でした。
まだ2週間、まだまだ伸びそうな予感
Aチームに合流してまだ2週間、伊豆に引っ越してきてからまだ半年くらい。これだけの短時間で9秒台が連発できてるので、まだまだ伸ばせるかなと思っています。先輩たちには練習では全然歯が立たないので、いい練習相手になれればと思います。僕が東京オリンピックに出るというのは・・・・壊滅的に無理なので。
今の一番僕がやらなきゃいけないのは「Aチームの人たちの対戦相手になること」だと思っています。隙あらばスプリントの枠を狙ったりしたいですけれど。
Q:今はハロンの日本記録もどんどん上がってきていますが?
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深谷知広
頑張って記録更新も狙っていかなきゃいけないですよね。結局世界で戦うには9秒5とか出さなければいけないレベルになってきているので。今は学生でも9秒8とか出していますからね。
Q:小原選手は先行選手?それともロングスパートが得意?
ロングスパートの方が得意です。残り1周のスピードが一番出ているタイミングで上から叩くということが現状できないので、それなら自分が長い距離でも一回前に出て、少しでもチャンスのある走りをしなければいけないと思っています。タイプとしては脇本さんに近いと思います。
Q:やはり競輪と競技の両立は難しい?
今はパリを目指すということで競技に重きを置いています。競技で力をつけて「どんな展開でも勝てる」という風になりたいです。
Q:オリンピックの金メダルを目指すにあたって、どういうことがモチベーションになってますか?
純粋に「金を獲りたい」という気持ちももちろんなんですが「自転車をメジャー競技にしたい」という気持ちも大きいです。オリンピックで金メダルを獲れば、報道でも大きく取り扱われます。メダル、特に金メダルを獲ることで自転車競技を取り上げる地上波のバラエティ番組など作ってもらえたらと思っています。地上波で放送されれば絶対人気は上がりますし。
日本の自転車イベントは、他のメジャー競技と比べて全然違うように思います。もっと観客を盛り上げる内容がいいと思うし、もっとメジャーな競技になってタレントさんとかを呼べるようになってほしい。競技のファンだけでなく、そのタレントさん目当ての人も来てくれるし、そういう連鎖反応が自転車にも欲しいですよね。
だからまず自転車競技を知ってもらうことが大事だと思います。その第一歩としてオリンピックでメダルを獲ることが必要だと考えています。
Q:今後の目標は?
パリを目指します。世界選手権にも出たいとは思っています。
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23歳、小原選手のオリンピックへの道はまだ始まったばかり。今後の彼の躍進に注目していきたい。