どん底の精神状態からの復調

太田りゆ(日本ナショナルチーム)

2017-18トラックワールドカップ1戦

自分のメンタル面はどう評価していますか?

メンタルは一度、ボロ崩れしました・・・。ワールドカップ(2017-18シーズン)の1〜2戦前後ぐらいからもうおかしくなって、円形脱毛症にもなっちゃったから。

もう怖くて怖くて。何が怖かったって言われると分からないけど、落車も怖かっただろうし、負けるのも怖いし、みんなの期待に応えられないのも怖い。悪循環に陥ってしまって周りから心配されて、息も出来ないし、息ができないから痙攣して、痙攣したままスタート位置とか付いて。泣きたくないのに怖すぎて涙が出ちゃって、ヘルメットのバイザーが曇って、走り出して風が入ってきたら曇りが取れるみたいな。ワールドカップ第2戦はそんな感じだったんです。

太田りゆ

2017-18トラックワールドカップ2戦

でも、今年の5月末から6月にかけてあったモスクワグランプリは毎日楽しみだったし、レースしてても「イケる!イケる!」みたいに思ってました。それこそケイリンの決勝なんてみんな結構強かったけど「6人出てるうちで3人は表彰台に上がれるじゃん!」ってポジティブに考えられるようになってて。

モスクワグランプリ2018レポート

モスクワグランプリ2018

優勝:小林優香、2位:太田りゆ

モスクワグランプリ2018

どん底のメンタル状態からそこまでポジティブシンキングできるようになったのはなぜ?

多分、周りからの意見を気にしすぎてた部分があったんだと思います。デビューしたばかりのころは注目されていて、だから勝てないと「思ったより強くないじゃん」とか思われちゃうんじゃないかと考えて・・・。

ナショナルチームの選手は、それこそ新田(祐大)さんとか、(小林)優香ちゃんは大きいレースでも勝ってるけど、私はまだまだ。だけど「あいつ獲れないけど日本代表だよね?大丈夫?」みたいな事は言われたくない。

太田りゆ

けど、開き直って「私はみんなと経歴が違うし、今から頑張ろうって思っているところだから、そんな気にしている場合じゃないし、落ち込んでいる暇もない」って考え始めてからは「なんとでも言って」って思えるようになりました。私が海外遠征に選ばれなかった時も、皆がレースに出ている間に日本でどれだけ追いつけるか、って気持ちでやってました。

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