フェラーリは、アガりのクルマか。

フェラーリには大きく分けてV8とV12エンジンがあり、V12エンジンを搭載するモデルはトップエンドに位置づけられる。深谷選手の フェラーリ599はV12を搭載する、発売当時はラインナップの最上位に位置づけられたトップモデルだ。人によっては、いわゆる“アガりのクルマ”だ。そうなると深谷選手にとってアガりのクルマは存在するのだろうか?

「アガりのクルマはありません。何歳になっても、乗り続けられる限りはクルマ趣味を続けたいですね。」

人間は欲深い。その欲の向き先が人によって異なるというだけで、深谷選手は特段にクルマへ向いているのだろう。フェラーリ599を買う際、他のスーパーカーに目が行かなかったのかを尋ねると「全部行ってます」と、これまた即答だ。

「スーパーカーがというよりも、クルマは何でも好きなので。その中での一番は、やっぱり原点のフェラーリだし、2〜3位をつけるにしても、それは100点と99点の違いでしかありません。」

深谷選手が競輪選手としてプロデビュー時は当面の目標として、S級へ上がる、G1を制覇する、などがあったはずだ。しかし目の前のゴールを達成すれば、また新たなゴールが見えてしまうものでもある。

深谷知広

2018アジア選手権1kmTT優勝時

頂上からの景色で見えるもの。