座って大ギアでスタートするのは、僕が一番速い

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世界選手権のアガる雰囲気

TEAM BRIDGESTONE Cycling A, 窪木一茂 ,今村駿介, 松田祥位, 橋本英也, 1-2位決定戦, 決勝, 男子エリート, チームパシュート, 2023全日本選手権トラック, 伊豆ベロドローム

Q:面白いと感じる種目はチームパシュート、そして重要度が高いのもチームパシュートで良いでしょうか?

はい、その通りです。オリンピック枠を獲得できるのは上位10チームですが、10位以内ならいけそうな気がしています。でもチーム内ではまだ”オリンピック”に対しての明確な雰囲気は出ていません。もうちょっと雰囲気を押しても良いんじゃないかなと思うのですが。

でも自分としては、勝ったらアルカンシェルが貰えますし、オリンピックより世界選手権の方が嬉しいかな(笑)

オリンピックは数ある大会の中でも由緒ある、名誉ある大会だと理解しています。でも自転車となると「世界選手権のアルカンシェル」の存在感が大きいようにも思えます。

松田祥位, MATSUDA Shoi, JPN,Qualifying, Men's Individual Pursuit, 2022 Track World Championships, Saint-Quentin-en-Yvelines, France

Q:その世界選手権ですが、昨年(2022)の出場時は緊張しましたか?

さすがにした……んじゃないですかね……?でもバンクの内側に人がいっぱいいて、雰囲気がちょっと対戦ゲームっぽいと感じました。元々ゲームは好きな方ですし。

みんな自信持ってて、前向きっていうか、たぎるような感じ。おのおのアップしてる様子に自分もアガっていきます。好きな雰囲気でした。

Q:大会向きの性格ですね。

昔からこうってわけではないです。高校生の頃からちょっとはあったかもしれないですが、こうやって言葉に表せるようになったのはトラックに来てからですね。思考も大きく変わって、どっしり構えられるようになったかな。理屈っぽいけど、ちょっと柔軟に、シンプルに考えられるようになりました。

コーナリングがすごく苦手だったんですけど、自転車を倒してちゃんと真ん中から行けばコケなくね?ってふと気付く。そういう感じのことが、自転車から離れて1日ぼーっとしてるような時期にポンポンと出てきました。俯瞰できるようになって、良い意味でこだわりを捨てられるようになったと思います。

アジア選手権、そして世界選手権へ

TEAM BRIDGESTONE Cycling A, 松田祥位, 1-2位決定戦, 決勝, 男子エリート, チームパシュート, 2023全日本選手権トラック, 伊豆ベロドローム

Q:昨年(2022)はアジア選手権の個人パシュートで優勝し、世界選手権の同種目出場権を手にしました。またアジア選手権が目前に迫ってきています。

今年も個人パシュートに出場します。あとはチームパシュートと、ポイントレースのリザーブです。

ただ今回、個人パシュートはちょっと自信がありません。仕上げてきたところが違うような気がして……走ってみたらそうでもないのかもしれないんですが。チームパシュートは再び1走ですが、すごく良いと思います。

Q:アジア選手権は「勝たなければならない」大会だとは思いますが、松田選手個人としてはどのように捉えていますか?

世界選手権につながる大会ですし、「選手権」ですからやはり優勝したい、メダルを獲りたいと思います。さっきお話ししたように正直少し不安はあるのですが、やっぱり目標はメダル獲得。日本チーム一丸となって頑張りたいです。

Q:その先の世界選手権はオリンピックポイントの面でも苛烈な戦いとなると思います。

そういう緊張感の高い世界選手権は、まだ未経験です。でも今のところ怖さはあまりなく、普通の世界選手権としての楽しみだけあります。

Q:以前のインタビューでは「パリオリンピックまではトラックに集中するけど、いずれはロードに」と話していましたが、その気持ちは今も変わらず?

パリオリンピックが終わってみなければわからない部分はありますね。その時の環境の問題もあると思います。

でも今はトラック競技をやっていて楽しいですし「今はトラックだな」と思います。練習が練習なんで、やっぱり今はトラックの方が走れるし、走れる方が楽しいです!