短距離チーム
短距離チームは「日本で行われるオリンピックで、日本の競輪発祥であるケイリンの、金メダルを獲得する」ことを第一目標としてきた。競輪選手としても活躍する脇本雄太、新田祐大、小林優香、そしてコーチのブノワ・ベトゥがそれぞれコメントした。
新田祐大
出場種目:男子ケイリン、男子スプリント
Q:沖縄合宿で取り組んだことや成果、今の状態を教えてください。
最後の追い込みとして合宿に参加し、挑戦できる状態に持っていくことが主な取り組みでした。梅雨が長かった影響で雨の中でのトレーニングも多かったですが、気候・環境への適応ができました。オリンピック本番はもっと良い環境で戦えますので、良い状態でトレーニングできたと思います。
Q:レースではどのような点に注目して欲しいですか?
レースに挑む前の集中の様子を見て欲しいです。通常なかなか映像として抜かれない姿ですが、オリンピックならではということで、見られるかと思います。
Q:海外の注目選手を、選手目線で教えてください。
オランダの男子短距離チームは世界記録保持者です。今回日本の短距離チームはチーム種目への出場がありませんが、彼らの良い走りは注目できると思いますし、僕自身も楽しみにしています。
Q:東京オリンピックに挑むまでの日々の中で、一番苦しかった時を教えてください。
「苦しかった時」というのは、オリンピックが終わったときにわかるのだと思います。なので今はよくわかっていません。
Q:日本発祥の種目であるケイリンで勝つことの意義について、改めて教えてください。
過去には2008年北京オリンピックで、永井清史がケイリン銅メダルを獲得しています。その背中を見て僕たちは育ってきました。僕自身もメダル獲得の瞬間に感動した1人です。まだ成し遂げられていない金メダル獲得は、日本の競輪、自転車競技の発展につながるものだと思います。
Q:ファンの方に望むことはなんですか?
ファンの方と共に歩んできた5年間だと思っています。みなさんが期待しているのは「参加して勝つこと」だと思いますので、一緒にてっぺんを目指せられたらと思います。
Q:オリンピック本番への意気込みをお願いします。
オリンピックに向けて、すべてをかけて調整してきました。良い形で終えられるよう、集大成を披露できるように、全力で頑張ります。応援してください。
脇本雄太
出場種目:男子ケイリン、男子スプリント
Q:沖縄合宿で取り組んだことや成果、今の状態を教えてください。
最終調整の合宿でしたが、梅雨のバッドコンディションでの練習となりました。しかし悪い環境だからこそ「どんな環境でも戦える力」に変換できると思います。その分磨きもかかって、力も身につきました。オリンピックが楽しみです。
Q:レースではどのような点に注目して欲しいですか?
身近な乗り物である自転車が、極限までスピードを上げるとこんな競技になる。まずはその点を見ていただきたいです。現地で観戦することができれば、選手の走りによって生じる風を感じて欲しいです。
Q:海外の注目選手を、選手目線で教えてください。
やっぱりオランダチーム。世界のトップを走り続けるチームなので、注目していただきたいです。
Q:東京オリンピックに挑むまでの日々の中で、一番苦しかった時を教えてください。
やっぱり延期が決まった瞬間です。肉体的な苦しみは、選手である以上よく知っているものです。しかし「オリンピックが延期になる」という精神的なダメージは計り知れないものがありました。
Q:日本発祥の種目であるケイリンで勝つことの意義について、改めて教えてください。
ケイリンで金メダルとを獲ることは、僕たち競輪選手の悲願と言って良いと思います。そこに向けてしっかり頑張っていきたいと思います。
Q:オリンピックを目指す中で、肉体以外ではどのような点が鍛えられましたか?
精神面、特に「勝つ気持ち」が鍛えられたと思います。
Q:ファンの方に望むことはなんですか?
地元・福井のファンの方にはリオオリンピックの頃からたくさん応援していただきました。リオは散々な成績でしたので、今回はしっかり頑張りたいと思います。
Q:オリンピック本番への意気込みをお願いします。
自国開催のオリンピックで、日本発祥のスポーツ・ケイリンでの金メダルを目標に、頑張ります。
小林優香
出場種目:女子ケイリン、女子スプリント
Q:沖縄合宿で取り組んだことや成果、今の状態を教えてください。
オリンピック前最終調整ということで、普段と違う環境でのトレーニングを行いました。やるべきことを設定して取り組むことができたので、オリンピックに向けて弾みがついたと思います。
Q:レースではどのような点に注目して欲しいですか?
普段はぽわっとした姿の私ですが、レースになると目つきが変わります。レースに挑む姿や表情、そしてスピード感などを実際に見ていただけたらと思います。
Q:海外の注目選手を、選手目線で教えてください。
ドイツのエマ・ヒンツェ選手はスプリント、ケイリンともに世界チャンピオンになっている選手。ぜひ注目していただければと思います。
Q:東京オリンピックに挑むまでの日々の中で、一番苦しかった時を教えてください。
延期が決まってから、昨年の1年間はとても苦しい時期でした。でも今はとても前向きに、金メダルを目指してやれています。
Q:オリンピックを目指す中で、肉体以外ではどのような点が鍛えられましたか?
精神面、特に勝負に対する気持ちや姿勢を学びました。
Q:ファンの方に望むことはなんですか?
自転車競技を始めた頃から、東京オリンピックを目標にしていて、その頃からたくさんの方からの応援をいただいてきました。メダルを獲って恩返しできればと思います。
Q:昨年秋、母校である高校へ訪れています。どのような理由で訪問し、どんな変化があったのでしょうか。
落ち込んでいた期間だったのですが、もう一度バレーボール時代、自分の原点に戻って、自分を見つめ直したいという思いがありました。輝いてプレーをしている後輩たちの姿を見て力をもらいましたし、私もこんなふうに力を与えられる人間になりたいと感じました。
Q:オリンピック本番への意気込みをお願いします。
狙うものはただひとつ、ケイリンでの金メダルです。そのために全力を出して頑張っていきます。
ブノワ・ベトゥ
Q:沖縄合宿で取り組んだことや成果、今の状態を教えてください。
晴れの天気を期待しての合宿だったのですが、あいにくの長雨でした。しかし「辛い環境を乗り越える適応力」を、選手たちは見せてくれました。この合宿にはとても満足していますし、選手たちの「成功」に向けた気持ちがとても伝わってきました。
Q:選手たちそれぞれの「注目して欲しいポイント」を教えてください。
私自身は「観客目線」になることが難しいのですが、選手たちが言うように、レースに挑む前やレース中の姿は、見どころだと思います。選手の目から伝わる緊張感、態度など、レース以外の部分で見えることも楽しんでいただきたいです。
オリンピックは、これまで積み重ねたものの成果を発揮する場。強い国がたくさん参加しますが、ケイリンに関しては日本がナンバーワンで、挑戦を受ける立場です。
Q:ファンの方に望むことはなんですか?
私個人のファンは、沼津の皆様くらいですが……選手たちを応援するファンの皆様に対しては、メダルを獲ることで誇りを与えられればと思っています。恩返しできればと思いますね。
Q:オリンピック本番への意気込みをお願いします。
日本に来て5年が経ちましたが、選手に対する信頼がとても大きい。本当に信頼しています。メダル無しにオリンピックを終えることは「大きな失敗」です。それしか言えません。