中長距離チーム
2020年の世界選手権女子オムニアムで優勝し、現在のオムニアム世界王者である梶原悠未、梶原とペアを組んで女子マディソンに出場する中村妃智、男子オムニアムに出場する橋本英也。そしてコーチであるクレイグ・グリフィンがそれぞれコメントした。
橋本英也
出場種目:男子オムニアム
Q:沖縄合宿で取り組んだことや、成果を教えてください。
ロード練習を行い、長距離の有酸素能力向上を主に取り組んできました。オリンピックに向けて調子が良くなっていると思います。
Q:オリンピック本番は、自身のどこを見て欲しいですか?
レース中の僕の表情を、ぜひ見ていただければと思います。苦しくなると笑うような顔になってしまうのですが、それをよく指摘されるんです。ぜひ見て欲しいなと思います。
Q:海外の選手で「この人は強いぞ」と思っている、注目選手を選手目線で教えてください。
オーストラリアのサム・ウェルスフォード選手です。とてもスピードのある選手で、オムニアムの第1種目・スクラッチのフィニッシュ前では、僕とサムとで1着争いになるのではないでしょうか。注目していただくと、楽しめると思います。
Q:リオオリンピックの落選から5年。当時の自分を振り返りつつ、5年間の成長を教えてください。
気づけば5年経ちました。当時は「オリンピックが僕の人生を変える」と思っていて、それだけに集中して生きていました。それだけに、落選した直後は鬱のような状態になってしまったんですが、その後競輪を始めたりロードレースに出たりして、視座が高くなったと思います。
レースに対しても「オリンピックがすべてじゃない」と思うことで、ひとつひとつのレースにリラックスして臨むことができるようになりました。リラックスして臨めるようになったことが、成長なんじゃないかなと思っています。
Q:ファンの方に望むことは?
トラックはどうなるかまだわからないですが、オリンピックはほぼ無観客で行われます。ステイホームで、家でお酒でも飲みながら、レースを楽しんでいただけると嬉しいです。
梶原悠未
出場種目:女子オムニアム、女子マディソン
Q:沖縄合宿で取り組んだことや、成果を教えてください。
3時間ほどのロードトレーニングで有酸素能力の向上、ローラートレーニングではレース強度のインターバルトレーニングを行い、レースで使用できる持久力を高めました。またウェイトトレーニングで、筋力の維持も行ないました。2020年世界選手権当時よりも強くなっている、自信を得られました。
Q:オリンピック本番は、自身のどこを見て欲しいですか?
私は155cmと、世界の中でも小柄な選手です。この小ささを活かしたポジショニングや、そこから繰り出す爆発的なスプリントに注目して欲しいです。
Q:海外の選手で「この人は強いぞ」と思っている、注目選手を選手目線で教えてください。
イギリス代表のローラ・ケニー選手です。ロンドン、リオの2大会連続で金メダルを獲得しており、今回も「世界最強」の状態に仕上げてくるはずです。
Q:ファンの方に望むことは?
テレビの前や会場で「がんばれ!」と応援していただけたら、それが私のパワーになります。応援していただけると嬉しいです。
中村妃智
出場種目:女子マディソン
Q:沖縄合宿で取り組んだことや、成果を教えてください。
沖縄合宿では他のメンバーと同じく、ロードトレーニングでの有酸素能力の向上に努めました。また現地はこちらより先に梅雨が明け、気温30度を超える環境。熱耐性の点でも、夏のオリンピックに向けての準備もできたと思います。
Q:オリンピック本番は、自身のどこを見て欲しいですか?
マディソンは16カ国、各国2人で合計36人が出走します。250mのトラックを36人が一斉に走る、一番人数の多い種目です。その大人数の中でペアを組む相手を見つけ出し、良いポジションで交代をする。その位置取りの動き方を見て欲しいです。
Q:海外の選手で「この人は強いぞ」と思っている、注目選手を選手目線で教えてください。
オランダのキルステン・ウィルト選手。ベテランの強さがある選手です。一番経験も豊富ですし、慣れている分、精神的にも落ち着いてオリンピックに臨むと思われます。
Q:自転車トラック競技の6人の選手の中で、唯一会社員としても働いていらっしゃいます。仕事面から学んだ、オリンピックの舞台でも活かせるものを教えてください。
レースやイベントを主催する業務に携わることで、裏方の仕事、土台を作る段階が本当に大変であると知りました。ひとつのイベントをやるに際には、莫大な時間をかけ、頭を使っています。オリンピックも本当にたくさんの方が尽力してくださっていると、深く感じています。
「帰るまでが遠足」と言いますが、終わるまで安心できないところはあります。今回のオリンピックも、選手として最後まで責任を持ってやり遂げたいと強く思います。
またこれまで、仕事のイベントを通じてたくさんの方に応援していただきました。その思いに応えられるよう頑張りたいと思います。
Q:ファンの方に望むことは?
応援していただけること、それだけを望みます。伊豆会場がどうなるかわかりませんが、テレビの前でも、会場でも、応援してください。
クレイグ・グリフィン
Q:沖縄合宿はどのような意図で行われましたか?
走り込みにフォーカスした合宿でした。オリンピックは大変暑い環境でのレースになると思います。暑さ対策を事前に行うためにも、沖縄の地は好都合でした。またオリンピック直前のこの時期、伊豆を離れ、トレーニングだけに集中することも目的でした。
Q:オリンピック本番は、各選手のどこを見て欲しいですか?
英也選手はレースの中での「動きを見定める力」に長けています。すぐに反応することができる選手です。
悠未選手はスピードがとてもある選手。しかしそれだけではなく、回復力、作戦を組み立てる力も、ここまでのトレーニングで身につけてきました。本番を楽しみにしています。
妃智選手は「シークレットウェポン」……隠し玉とでも言いましょうか。普段は静かで優しい雰囲気ですが、レースとなるとファイティング精神に溢れます。レースを楽しみにしています。
Q:ファンの方に望むことは?
選手たちはアスリート魂をかけてレースに尽くしています。彼・彼女らのこれまでの日々を想像しながら、それを見ていただければと思います。