ドイツの最強スプリンター
リオ開催で活躍したスターの1人が、ドイツ女子スプリンターのクリスティーナ・フォーゲルだ。
彼女はジュニアカテゴリで世界タイトルを獲得していたものの、エリートカテゴリに進出する矢先2009年、トレーニング中の事故により重症を負ってしまう。しかし僅か3ヶ月で復帰を果たした後、翌年のワールドカップでは見事好成績を残し、ここから彼女の伝説は始まった。
世界選手権での金メダルは計11個。2012年ロンドンオリンピックではチームスプリントで優勝を果たした。そして迎えたリオ開催でもスプリントで金メダル、チームスプリントで銅メダルを獲得。
フォーゲルは間違いなく、ドイツトラック界を牽引してきたレジェンドだ。フォーゲルは短期登録選手としてガールズケイリンにも出走し、世界レベルの走りを競輪場でも見せてくれた。
しかし27歳を迎えた2018年、再びトレーニング中の事故により重傷を負ってしまう。自身2回目の事故となった今回は前回とは異なり、彼女の選手キャリアの続行を不可能にするものとなってしまった。
Kristina Vogel公式サイト BBC Telegraph
アジア初の金メダリスト
トラック競技の世界的な発展が見られたのも2016年大会の特徴かもしれない。従来はイギリスを始めとする欧州チームが表彰台を占めていたが、本大会ではアジアから初となるオリンピック金メダリストが誕生した。
アジア初となる金メダルを獲得したのは中国のゴン・ジンジエ(宮金傑)とゾン・ティエンシー(鍾天使)のチームスプリントペア。
2012年ロンドンオリンピックではイギリス、ドイツ、オーストラリアといった強豪がひしめく中、予選でオリンピック・世界記録を更新したものの(32.422秒)、決勝でドイツに敗れ惜しくも銀メダル。
そして迎えたリオオリンピックでは、32.107秒を記録し優勝を果たした。
ゴンは既に引退しているものの、2020年の世界選手権では同種目に出場し3位でフィニッシュするなど、ゾンは依然チームスプリントで活躍している。
なお2024年のパリ開催から、女子チームスプリントは男子同様3人制となる。
UCI「China wins first ever cycling gold」 UCI records CGTN
ブノワ・ベトゥ
このトラック中国短距離チームを指揮し、金メダル獲得に導いた人こそ、現日本ナショナルチーム短距離ヘッドコーチの「ブノワ・ベトゥ」だ。2016年リオオリンピックまで、中国チームをの数々の好成績に貢献してきた。
誰もが認める実績と情熱を兼ね備える彼が、2016年から日本ナショナルチームの短距離ヘッドコーチに就任。以降ワールドカップ、アジア選手権などで多くのチャンピオンを輩出してきた。
そしていよいよ訪れる東京オリンピック。最高のクライマックスにたどり着くことを期待したい。