2020年11月23日、トラック競技中長距離日本代表の今村駿介(チームブリヂストンサイクリング所属)が日本初のアワーレコードに挑戦。

「苦行」今村駿介が日本初のアワーレコードに挑戦 52.468kmで日本記録樹立

1時間で52.468kmを走り切った今村は、この挑戦を行うにあたってどのような機材で挑んだのか。今村選手が使用したトラックバイクをご紹介していく。

使用バイクは市販モデル

使用バイクはブリヂストン製。これは東京オリンピックへ向けた機材提供品として開発されたもので、市販もされている。

重量は約7.5kg。ベアリングなど回転部分で調整出来る箇所はアワーレコード用にセットし、若干の軽量化も行われたという(メカニック談)。

つまり選手に合わせた若干の改良はあるものの「特別なアワーレコードモデル」ではなく「市販されているモデル」だ。これを使って挑戦が行われた。

ブリヂストンが東京2020オリンピック日本代表へ機材提供・ANCHOR(アンカー)2020年モデル発表

マニアも多いであろう(?)タイムトライアル種目特有のハンドル周りをクローズアップ。

最先端バイクという枠組みの中で、こういった”DIY感”が溢れる細かい工夫も見受けられる。

DHバーは世界選手権やワールドカップ等で使用されて来た物と同等のモデル。今回、今村選手は「スキーベント」と呼ばれる形状のDHバーを選択。ハンドル先端が跳ね上がっている事で、無理のない姿勢での高速巡行が可能となる。

またハンドルを握った際のグリップを効かせる為に、ハンドル先端部に滑り止めを貼り付けている。

ギア板は今村選手自前の物を使用。

今回は60t×15tでギア比は4倍。理論上では、今村選手はこの4倍のギアで1時間104rpm(1分間に104回転)のペースでアワーレコードを走りきった事となる。

もちろん、選手の好みやレース種目によって使用されるギア比は変わってくるが、短距離種目である競輪で使用されるギア比以上に重いギアを(競輪では「ギア倍数は4.0未満」の規則がある)、1時間踏み続けたと考えると、なんとも凄まじい脚力だ。

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求められる小さな工夫

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