脇本雄太が示した、戦える証拠

トラックワールドカップ3戦短距離のハイライトは脇本雄太が最後の一歩で届かなかった男子ケイリンだ。それ以外にもいろいろとブノワジャパンにとって収穫のある戦いとなった。

男子ケイリンは脇本雄太、新田祐大、そして河端朋之が出場。全員が2回戦(準決勝)に進む結果で、ブノワジャパンの強化が進んでいることが明確になった。

残念ながら新田、河端は決勝に進むこと叶わずであったが、出場した全員が2回戦に進んだことは一歩前進したところだろう。第2戦のマンチェスターでは新田が5位、今回は脇本が4位と、次こそは?と思わせてくれる結果だ。

特に決勝の脇本は、強豪ひしめく中、後退することなく、最後の半周で集団の内側から自分の道をこじ開けて勝負に出た。70km近いスピードが出ている中で更に加速をして勝負をかけることは、ケイリンやスプリントで必要なことなのだが、それが難しく、勝負所まで位置取り争いにも加われていた。決勝でも十分に戦える証拠を示すことができたレースとなった。

脇本雄太メダルまであと一歩の4位、新田祐大9位、河端朋之11位/2017-18トラックワールドカップ第3戦・男子ケイリン

本人が事前に語っていた通り、今大会の目標、決勝進出は達成することができた。あとは第4戦で表彰台に上がるだけ。本日から始まる4戦でも大いに期待したい。

また、河端と新田、この2人も表彰台は十分に手に届く実力の持ち主だ。自分たちでも常々言っているが、とにかく自信を持って挑んで輝くメダルを我々に見せてくれることを心待ちにしている。

予選タイムが鍵となるスプリント

男子スプリントは河端、脇本が出場。両選手ともに1/8決勝(2回戦)での敗退となった。やはり200mの予選タイムトライアルが鍵となることが改めて示された結果だろう。

河端は9秒961で予選11位。脇本は10秒084で予選17位。

河端朋之が予選で9秒台、脇本雄太が対戦したホーフラント(オランダ)が金/2017-18トラックワールドカップ第3戦・男子スプリント

スプリントでは対戦方式となる1回戦以降は予選で良いタイムを出した選手が優遇されて、上位対下位の選手が対戦していく。そのため、今回の河端と脇本は1回勝つと次は強敵といった形になってしまった。これがコンマ1秒違うだけで対戦相手が変わり、勝ち上がりの可能性が変わってくるだけに、スプリントの予選の大事さを改めて考えせられる結果となった。

第4戦のバンクは4コーナーに「クセ」があるとの情報が入っているが、その「クセ」をどこまで克服してタイムを伸ばせるのかに注目したい。もちろんその後の勝ち上がりにも注目だ。

優勝したホーフラント(オランダ)やこれまでの3戦で活躍してきた強豪は4戦へ出場しない予定だが、なんとドミちゃんことデニス・ドミトリエフが参戦予定。現世界チャンピオンの実力は発揮させるのか?その点にも注目だろう。

小林優香の悔しい結果