日本ナショナルチームは梶原悠未の金メダル、深谷知広/小林優香の銅メダルと、メダルラッシュに沸いたワールドカップ第3戦。短距離のブノワ・ベトゥヘッドコーチに話を聞いた我々だが、中・長距離はどうだったのか?クレイグ・グリフィン中・長距離ヘッドコーチが語ったのは?

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梶原悠未オムニアム金メダルの評価と課題

Q:まずは梶原選手の金メダル、どう見ていますか?

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そもそも「このレースは勝てるレースだ」と彼女には伝えていました。ですが、彼女には戦術面でも1つ進歩する必要があったので、私たちは計画を立てました。このレースの中で彼女は1つか2つ、その計画を実行したし達成したと思いますよ。

今回はレースに勝つことだけでなく、今後のワールドカップや世界選手権、そしてオリンピックのためにレッスンの機会として走ろうと決めました。我々はワールドカップのすべてを学ぶ機会だと考えていますが、同時に良い成績も求めています。今回は求めている2つを得ることが出来たので、彼女はとても良いパフォーマンスをしたと思います。

Q:最後はかなりギリギリの戦いでしたが、種目毎に感想をいただけますか?

レースで大事にしていることを、スクラッチ(第1種目)では出来ませんでした。テンポレースは良かったです。エリミネーションは中盤で犯した1つのミスさえ除けば、素晴らしかったです。そのミスからリカバリーし、残りの6~7人のレースでは彼女が一番強くて速かったので、1人ずつトラックから降ろしていくことが出来ましたね。

Elimination / Women's Omnium / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP III, Hong Kong

第2戦のグラスゴー大会は4位で終えました。彼女はレースを走っていたものの、レースで彼女の敵となる選手たちとの戦いを行えていませんでした。ですから第2戦が終わってからは戦略をもう一度確認し、敵となる選手にレースの中で注意するようにして、同時にレースの全体も見渡すことが必要でした。

前回はレース自体を心配するが故に数人の個人の選手を見落としていましたが、今回は考え方を変えて「レース全体よりも敵となる複数の選手たちを見逃さない」ようにしました。オムニアムは最後のポイントレース単体で負けても、上位の人たちと戦うだけで良いですからね。今回のレースはとても良い勝ち方が出来たと思います。梶原はとても情報を取り入れるのが早いし、理解するのも上手で、それらをバンクの上で活かすことが出来ます。ですから勝てたと思います。

Q:女子のチームパシュートについては?

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タフなスタートとなりました。調子が悪い選手がいたこともありこの結果でしたが、次のレースまでには調子を整えて良い結果を出したいと思います。

1st Round / Women's Team Pursuit / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP III, Hong Kong

男子についてはもっと走り方に自信をもって、私が考える新たな方法で走ればもっと速くなっていくと思います。もっと速くなっていくというのは女子も同じですね。

マディソンについて悪い印象はない