【3位決定戦】強敵マテウス・ルディク

メダル獲得が掛かった最後の大一番で深谷が対戦したのは、ポーランドのマテウス・ルディク。ルディクは昨年度の世界選手権で銅メダルを獲得した、今勢いに乗っている強豪。

他にもワールドカップにて3回の銀メダル獲得、2019年のヨーロッパ選手権スプリントでの銅メダル、ポーランド選手権スプリント3連覇などの成績を納めており、スプリント種目ではトップ選手の1人だ。

Final / Men's Sprint / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP II, Glasgow, Great Britain

片やワールドカップで初の決定戦を走る深谷と、メダル常連のルディク。メダルをかけた決勝という、大きなプレッシャーのかかる舞台では、観客からは経験に勝るルディクに分がある様と思われただろう。

だが深谷はルディク相手に1本も取らせず、ストレート勝ちでの勝利。2本目に至っては大差での勝利だ。予選で示したスピード、そして1対1の対戦で求められる「レースを作る力」もまた、世界トップに引けを取っていない事を証明した瞬間であった。

東京、そしてパリへ

既報の通り、東京オリンピックでの選手選考は「ケイリンで結果を残せる選手が優先される」となっており、誰がその出場枠を得るのかは未定。今や日本はタレント揃いと言える程に、強豪国の一角として成長を遂げた。

「深谷は東京オリンピックに出場できるのか?」

この問いに対する答えは、今回のメダルでは明らかにならない。だが、この男は既にパリオリンピックも視野に入れ、スプリントという競技と向き合っている。

「スプリントでも世界で戦える選手」となった深谷という可能性は、日本を今より更に上のレベルへと押し上げる大きな力となる。急成長を続ける深谷知広の今後の活躍をMore CADENCEと共に見守っていただきたい。

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