10月17日に韓国・鎮川(ジンチョン)で開幕した『アジア選手権トラック2020』は、大会初日に男子エリートチームパシュートが行われ、オリンピック出場に向けて厳しい戦いが強いられている日本チームが優勝。オリンピック出場へ望みをつなぐ貴重な1勝を手にした。

オリンピック出場へ背水の陣

チームで距離4kmを走って速さを競うチームパシュート。この種目において男子エリート日本代表は、東京五輪出場に対しては正に崖っぷちの状態。約1ヶ月前に新ヘッドコーチを迎え、新たな体制でオリンピック前最後のシーズン初戦へと挑んだ。

2大会前の『アジア選手権トラック2018』で3分57秒801のアジア記録を更新し、優勝を果たした日本チームであったが、昨シーズンはタイムが伸び悩み、国際大会でも上位進出ができない状態が続いた。

さらに前回の『アジア選手権トラック2019』では、韓国チームが日本のアジア記録を塗り替え、惜敗の2位。アジア王座からも陥落することに。

その結果、今大会前のオリンピックランキングは3,620点、14位にまで順位を落としている。オリンピック出場枠が与えられるのは8位まで。暫定8位に位置するイタリアは5,150ポイントであり、その差は約1,500ポイント。

しかし、大陸選手権のポイント配分は世界選手権の次に高く、アジア選手権で優勝すれば1,200点が加算されるため、オリンピック出場枠獲得を狙う日本チームにとっては、絶対に落とせない戦い。オリンピック出場に向け、今シーズンは常に背水の陣で戦わねばならない。

至上命題は韓国を破ること