8月1日、岸和田競輪場で行われた『2026インターハイ自転車競技』の大会3日目。トラック競技の最終日は男女のポイントレースを皮切りにスタートした。
記事内では紹介しきれない写真に関しては、ぜひ写真ギャラリーをご覧いただきたい。
1年生ルーキー伊藤隆聖が大逆転で栄冠を掴む
決勝は20km・50周にて行われ、24人が出走した。
青帽が⽥中颯(北桑田)、赤青帽が戸倉誠大(宇陀)
レース開始直後から積極的に仕掛けたのは戸倉誠大(宇陀)、⽥中颯(北桑田)の2人。後続集団に約半周差をつけ、戸倉は3回目のポイント周回までに13ポイントを積み上げる。
白青帽が⽶倉⼀豊(甲府工)、白黒帽が中村圭汰(宮崎農)、赤黄帽が後藤奏太(岐南⼯)、赤帽が森山聖仁(南大隅)
白赤帽が藤田怜太郎(九州学院)、紫帽子が新井ジュナイド(奈良北)
レース中盤に入ると、ポイント周回ごとに異なる選手がアタックを仕掛けては、また1つの集団に戻る展開となり、ポイントの獲得者がばらける展開に。
レースは最終盤、序盤にリードを築いた戸倉が14ポイントで暫定1位。しかし、最後のポイント周回は1位に10ポイントが入るため、5ポイント以上を獲得している10人の選手に優勝の可能性がある状況に。
そのなかで、残り4周で集団のなかから飛び出していったのは5ポイントを獲得していた伊藤隆聖(岐阜第一)。後続を一気に引き離し、逃げの展開に持ち込んでいく。
紫黒帽が伊藤隆聖(岐阜第一)、緑赤帽が武藤巧眞(前橋工)、緑青帽が野⼝七海⽃(千原台)
迎えた最終周回。ゴール直前で武藤巧眞(前橋工)と野口七海斗(千原台)が迫るものの、わずかに伊藤が逃げ切り1着フィニッシュ。
戸倉は最終周回でポイントを獲得できず、最終的に15ポイントとなった伊藤が1ポイント上回り、大逆転。1年生のスーパールーキーが優勝の栄光を手にした。2位は戸倉、3位は武藤という結果になった。
| 男子ポイントレース 最終結果 | ||||
| 順位 | 学校名 | 都道府県 | 選手 | ポイント |
| 1 | 岐阜第一 | 岐阜 | 伊藤隆聖 | 15 |
| 2 | 宇陀 | 奈良 | 戸倉誠大 | 14 |
| 3 | 前橋工 | 群馬 | 武藤巧眞 | 11 |
男子優勝:伊藤隆聖選手 インタビュー
Q:レースを振り返っていかがでしょうか。
昨日の予選後に熱中症になってしまいました。ゴールしたあとに嘔吐してしまうなど、コンディション的にはかなり厳しい状態でした。その後は先生にも配慮していただいて、すぐ宿へ戻り、自分にできる準備をすべて行いました。その準備が今日はうまくはまりましたし、昨日のレースの反省も活かすことができました。
今日はオーバーヒートしないことを第一に考え、できるだけ脚を使わず節約しながらレースを進めました。最後に、暑さで他の選手たちの動きが鈍くなったタイミングを狙って抜け出すことができ、逆転で優勝につなげることができました。
Q:最初から狙っていた作戦だったのでしょうか。
序盤から展開すべてに反応してしまうと、自分が先に燃料が切れるのはわかっていたので。最初の2〜3周で「どこまで自分がついていけるか」を確認して、その後は集団後方でできるだけ脚を温存することに徹しました。
最後は飛び出すと決めていました。最後まで集団で消耗し続けるのは厳しいと分かっていました。とにかく一度集団と差を作りたかったんです。
残り3周へ入る前に牽制が入り、集団のペースが緩んだ瞬間に「今しかない」と思って仕掛けました。
Q:一気に差が開きました。最後まで逃げ切れるという手応えはありましたか。
正直、ゴールする瞬間まで全く安心できませんでした。「いつ後ろから来るんだろう」と不安でしたし、抜け出したからには逃げ切るしかないという気持ちでした。ゴールした瞬間は後ろの状況が全く分かっていませんでした。電光掲示板に自分の得点が表示されるまで、「逆転されたかもしれない」と思っていました。
これまでポイントレースで良い結果が出た時も、最後に逃げて勝つパターンが多かったので、自分のできる限りのことをやって、最後まで踏み続けました。
Q:途中、戸倉選手が積極的にポイントを重ねていました。その点差は意識していましたか。
ポイント周回ごとに電光掲示板で確認していました。正直、表彰台まではあまり意識していませんでした。でも最後から1つ前のポイント周回が終わった時に、「もしかしたら狙えるかもしれない」と思いました。ここまで脚を温存してきたので、「もう行くしかない」と決断しました。
Q:優勝が決まった瞬間はどんな気持ちでしたか。
本当に信じられませんでした。昨日は熱中症で苦しみましたし、その短い時間の中で自分にできることをすべてやって臨んだレースでした。結果につながったことが、本当にうれしかったです。
Q:現在は高校1年生ですが、将来はどんな選手になりたいですか。
ロードもトラックもどちらも大好きなので、両方で活躍できる選手になりたいです。日本だけではなく、世界で戦える選手になることが目標です。
大谷奈々が1ポイント差の接戦を制する
女子ポイントレース決勝は12km・30周にて行われ、14人が出走。
白黒帽が塩貝穂佳(北桑田)、白青帽が大谷奈々(鳥取西)、黒帽子が綱嶋凜々音(北桑田)
レースは序盤から今大会個人パシュートで優勝している塩貝穂佳(北桑田)、大谷奈々(鳥取西)、綱嶋凜々音(北桑田)の3人が先頭集団を形成し、ポイントを取り合う。
レース中盤、綱嶋が落車するアクシデントが発生。しかし、すぐに再乗してレースに復帰。阿部理沙(別府翔青)を加えた先頭集団に合流し、4人でレースを展開していく。
落車から再乗した綱嶋と、赤帽の阿部理沙(別府翔青)を加えた4人で周回を重ねる
最後のポイント周回を前に暫定1位の大谷が19ポイント、塩貝が14ポイントで続き、その差は5ポイント。
最後の1周に入ったところで塩貝が一気にスパートをかけ、1着フィニッシュで10ポイントを獲得。しかし、大谷も塩貝をきっちり追走し、2着の6ポイントを得る。最終的に1ポイント差でリードを守った大谷が優勝を手にした。3着には阿部が入った。
| 女子ポイントレース 最終結果 | ||||
| 順位 | 学校名 | 都道府県 | 選手 | ポイント |
| 1 | 鳥取西 | 鳥取 | 大谷奈々 | 25 |
| 2 | 北桑田 | 京都 | 塩貝穂佳 | 24 |
| 3 | 別府翔青 | 大分 | 阿部理沙 | 13 |
女子優勝:大谷奈々選手 インタビュー
Q:優勝おめでとうございます。レースを走り終えて、今の率直な気持ちを教えてください。
すごくきつかったです。でも最後まで頑張ることができて、本当に良かったです。
Q:レース前にはどのような作戦を考えていましたか。
集団が大きいままレースを進めるのはあまり得意ではないので、とりあえず前に出て、できるだけ早い段階で人数を絞りたいと思っていました。自分が想定していた選手たちも前に来たので、このメンバーなら前を固めていけると思いました。
Q:集団でのレースは少し苦手意識があるのでしょうか。
普段から比較的少人数で練習することが多いので、大きな集団で走ることには少し怖さがあります。
Q:将来の夢はありますか。
まだ大学へ進学して競技を続けるかどうかは決めていません。まずは自分が将来やりたい仕事に就けたらいいなと思っています。
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