2026年6月12日より、静岡県・伊豆ベロドロームで開幕した『2026全日本選手権トラック』。
大会最終日の15日に実施された男子1㎞タイムトライアル(以下1kmTTと記載)には、短距離種目を得意とする選手たちに加えて、中長距離で活躍するナショナルメンバーも多数出場した。

1kmTTとは?

1kmを1人で走り切り、誰が一番速いかを競うシンプルな種目。
己の限界を突破し、襲い来る身体の痛みとの戦い。その辛さは、「机の角に、思いっきり足の小指をぶつけに行くような種目」など、さまざまな言葉で形容される。

走り終えた選手の多くは苦悶の表情を浮かべ、倒れ込む。今大会では、その部分にフィーチャーした「苦しみアワード」も実施された。

▶︎「苦しみアワード」については以下の記事をチェック!

20人の「苦しみニスト」たちの激闘/【2026全日本選手権トラック】苦しみアワード

男子1kmTT 決勝

エントリーしたのは20人。本来は短距離種目に分類される競技だが、前述の通り、ナショナルチームの中でも三浦一真、岡本勝哉、矢萩悠也、河野翔輝、梅澤幹太、山本哲央、橋本英也、兒島直樹、窪木一茂など、中長距離カテゴリーの選手が多く出場した。短距離カテゴリーのナショナルチームメンバーは尾野翔一、市田龍生都の2人のみという、近年では珍しい状況。優勝候補筆頭は過去にこの種目で日本タイトルを獲得したことのある市田龍生都。1分を切れるかどうかに注目が集まった。

いざ1分切りへ

 

 

過酷な種目に挑む勇者たち

レース序盤では岡本勝哉(HPCJC-BRIDGESTONE ANCHOR)が1分3秒388で暫定トップを守っていたものの、2025年のインカレで優勝している山下翔太郎(日本大学)が1分02秒573を出し、トップに躍り出る。

終了直後はこのポーズだった山下・・・・・・詳細は別記事参照

その後は、兒島直樹(HPCJC-BRIDESTONE ANCHOR)、尾野翔一(チーム楽天Kドリームス)、窪木一茂(TEAM UKYO)、市田龍生都(チーム楽天Kドリームス)と、ナショナルチーム所属の選手が4人連続で出走。

兒島直樹(HPCJC-BRIDESTONE ANCHOR)

尾野翔一(チーム楽天Kドリームス)

窪木一茂(TEAM UKYO)

短距離種目の選手として注目を集めた尾野は、序盤にペダルが外れたとしてタイムを出せず。ラストから2番目に出走した窪木一茂は、1分02秒327を記録。山下のタイムを上回り、最後は市田のみとなった。

1kmTTに情熱を燃やす市田龍生都。レースがスタートすると、市田は250m、500m、750mと、計測ポイントごとにこの日一番のタイムを記録し、会場は大会記録1分00秒107(新田祐大が保持)を破るのではないか、という期待感に包まれ大盛り上がり。

フィニッシュの結果は、1分00秒133。大会記録には0.026秒届かず。そして狙っていた1分を切ることは出来なかったものの、窪木と山下を抑え、2023、2024大会の優勝に加えて3回目となる優勝を遂げた。

1kmを切れず天を仰ぐ市田

男子1㎞TT リザルト

順位 選手名 所属 タイム
1位 市田龍生都 チーム楽天Kドリームス 1:00.133
2位 窪木一茂 TEAM UKYO 1:02.327
3位 山下翔太郎 日本大学 1:02.573

最終リザルトPDF

市田龍生都インタビュー「課題は年々小さくなってきている」

Q:おめでとうございます! チャンピオンジャージに袖を通した感想は?

素直にうれしい気持ちと、悔しい気持ちの両方があります。ここ2-3年、ずっと59秒台を狙っていたので、そこに到達できなかったのは残念です。

▶︎市田龍生都の1kmTTへの思いを聞いたインタビューはコチラ

【インタビュー】「1kmタイムトライアルが全てに繋がる」市田龍生都の流儀

Q:目標に至らなかったことについて、ご自身の中で何が足りないと思いますか?

足りないものはその時々によって違います。1つクリアしてもまた新しく別の課題が出てくる。ただ、全体的に課題の大きさは小さくなっている気がするので、細かい部分よりも総合力のアップが重要なんじゃないかと思います。

 

Q:1kmTTに取り組むことは、ケイリンやスプリントなど他の競技にも活かされている面はありますか?

そうですね、1kmTTは総合種目だと思っているので、他の競技の力も安定して伸びていると思います。

Q:全日本後の予定は?

とりあえず、トラックはこの大会を目標にやってきたので、今は特にありません。明日から競輪の前検日に入るので、また1つ1つのレースにしっかり取り組んでいきます。

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