イタリアが誇る偉大なサイクリストの一人、フィリポ・ガンナ。2026年冬季オリンピックの聖火リレーの走者を務めた。

イタリアが誇るトップアスリート

1996年にイタリア・ベルバニアで誕生したフィリポ・ガンナ。カヌー選手としてオリンピックに出場したこともある父、マルコ・ガンナの勧めのもと自転車競技を始めるとジュニア時代から才能が開花。
『世界選手権トラック』の個人パシュートでは4度の優勝を誇り、『世界選手権ロード』の個人タイムトライアルでの連覇経験も。オリンピックでもこれまで3つのメダルを獲得しており、イタリア屈指のサイクリストとして知られる。

2025年からはロードに専念、9月に開催された『ブエルタ・ア・エスパーニャ』では第20ステージの個人タイムトライアルで区間優勝を誇るなど、常に第一線を走り続けている。

フィリポ・ガンナ, GANNA Filippo, ITA,Finals, Men's Individual Pursuit, 2022 Track World Championships, Saint-Quentin-en-Yvelines, France

ローマへ聖火を運ぶ特別な役割を担う

フィリポ・ガンナの母国、イタリアでは2026年2月よりミラノとコルティナ・ダンペッツォを舞台に冬季オリンピックがスタート。
それに先駆け、12月4日にはアテネのパナシナイコ・スタジアムで聖火の引き継ぎ式が行われ、ガンナはテニスプレイヤーのジャスミン・パオリーニ(2024年パリオリンピック ダブルス 金メダリスト)とともに聖火ランナーを務めた。

イタリアの誰もが認めるアスリートだからこそ、ギリシャからイタリアに聖火をつなぐ重要な役割に抜擢されたフィリポ・ガンナ。大役を務めたあとは、「アテネの歴史的なパナシナイコスタジアム──近代オリンピックが誕生した場所──で聖火を掲げて走ることができたのは、忘れられない体験であり、この上ない名誉。ミラノ・コルティナ2026冬季大会へと向かっている聖火リレーの一員になれたことは、本当に特別なことでした」とSNSにてコメントを発表。

聖火は、さまざまなランナーの手に渡りながら、オリンピック開会式がある2026年2月6日まで、国内のユネスコ世界遺産やアルプスの山岳地帯、南部の海岸線などを巡りイタリア全110県を縦断していく予定だ。

冬季五輪シクロクロス採用の前触れ?

なお、複数の海外メディアにて2030年にフランス・アルプスで行われる冬季オリンピック競技に「シクロクロス」が追加されるのでは、という報道がなされていることは、以前「More CADENCE」でも報じた。
今回のガンナの登場が、その実現のきっかけのひとつになることを願いたい。

2030冬季オリンピックにシクロクロスが? しかも舞台はツールの“激坂”?

【サイクリスト偉人伝】キング・オブ・チェイス フィリポ・ガンナ