『2025世界選手権トラック』、大会3日目、10月24日に男子ポイントレースが行われた。日本からは兒島直樹がエントリーし、世界トップの選手たちと激しいメダル争い繰り広げた。兒島の走りを中心にレースをレポートする。
160周40km、16回のポイント周回で行われたこの種目には、日本から出場の兒島直樹のほか、トビアス・ハンセン(デンマーク)ら全24人がエントリーした。
アタック合戦 目を離せない展開
序盤にジョシュア・ターリング(イギリス)がメイン集団を一周追い抜き(※ラップという)する。兒島は序盤に8ポイントを重ねて、アタックのチャンスを待つ展開。
兒島にチャンスが訪れたのは残り75周。単独で集団との距離を開いていく。残り70周のポイント周回を1着・5ポイントに加えて、残り65周程では、体力を使いながらも集団を追い抜くことに成功し、一気に25ポイントを獲得。暫定ながらも2位になる。
【暫定トップ3】
ジョシュア・ターリング:イギリス 36ポイント
兒島:日本 34ポイント
クリモン・プティ:フランス 31ポイント
苦しい後半戦
後に兒島が語っていたが、ラップ後の体力はかなり苦しかったとのこと。兒島は集団の後方で回復に努めて省エネモードで周回を重ねていく。兒島が再び動き出し始めたのは残り30周のポイント周回。集団の前方でスプリントをし、4着・1ポイントを得る。しかし同じタイミングでピーター・ムーア(アメリカ)、ロジャー・クルーゲ(ドイツ)などがラップを成功させ、ムーアが2位へとジャンプアップ。
一方、残り10周のスプリント周回では兒島が再び1着5ポイントを獲得し、以下の暫定順位とポイント差で、最後のダブルポイント周回(1着・10ポイント、2着・6ポイント、3着・4ポイント、4着・2ポイント)を残すのみとなった。
| 残り10周を切っての順位 | 選手名 | チーム | ポイント |
| 1位 | ジョシュア・ターリング | イギリス | 50 |
| 2位 | ピーター・ムーア | アメリカ | 48 |
| 3位 | 兒島直樹 | 日本 | 40 |
しかし兒島の後ろには10ポイント差以内で3人(ドイツ・フランス・オーストラリア)の選手が迫り、兒島のメダル獲得は最後までどうなるか分からない状況。その中でレースはクライマックスを迎える。
アタック&マーク 果たして正しかったのは?
残り8周ほどで最後のアタックがあり、暫定1位のターリング(イギリス)、クレモン・プティ(フランス)、ジャスパー・デブイスト(ベルギー)の3人が集団から抜け出す。兒島はここに反応できずに、暫定4位、6ポイント差で兒島を追うロジャー・クルーゲ(ドイツ)をマークすることを選択する。

手前の白がクルーゲ、兒島は赤のヘルメット
しかし、前の逃げ集団にいたのは暫定5位、9ポイント差で兒島を追うクリモン・プティ(フランス)。メイン集団は前の3人を追う雰囲気は無く、逃げ集団との差が開いていってしまう。もしクリモンが1着・10ポイントを得て、兒島がポイントを追加できなければ逆転されてしまう形となった。
迎えた最終周回。逃げ集団に暫定2位のムーアが居ないことから、暫定トップのターリングは無理することなくプティに勝負を譲り、なんとクレマンが1着・10ポイントを得て、合計41ポイント、兒島を抜いて3位へとジャンプアップに成功してしまう。2着はターリング、3着にデブイストと逃げ集団の3人がポイントを得た。

クレマン(フランス)が最後に1着
そしてメイン集団では残った4着・2ポイント獲得の争い。悔しいことに最後のポイントは兒島がマークしていたクルーゲ(ドイツ)が獲得。
最後にポイントを得られなかった兒島は、1ポイント差で順位を落とし4位という最終結果となってしまった。

逃げ切ったターリング

2位のムーア

4位の兒島

最終周回でポイントを得た選手たち

最終結果(~7位まで)
| 選手名 | チーム | ポイント | ||
| 1位 | ジョシュア・ターリング | TARLING Joshua Michael | イギリス | 56 |
| 2位 | ピーター・ムーア | MOORE Peter | アメリカ | 48 |
| 3位 | クリモン・プティ | PETIT Clement | フランス | 41 |
| 4位 | 兒島直樹 | 日本 | 40 |






