7月31日からスタートした『令和7年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)』の自転車競技大会。
トラック競技ナショナルチーム ジュニアコーチの上野みなみ氏は、高校生たちにとって「集大成」であるとともに、大学のコーチ・監督が視察に訪れるため「進路」にも大きく関わる大会であると語っていた。
ここでは、そんな視察の合間に大学のコーチ・監督から伺った、「インターハイの魅力」と「スカウティングのポイント」を紹介する。
日本大学・我妻監督「何が起きるかわからない」
最初に話を伺ったのは、日本大学 自転車競技部監督の我妻敏監督。
Q:インターハイという大会の魅力はどんな部分にあると感じますか?
達観した見方をしてしまっているかもしれないですが(笑)、高校生ならではの“不安定さ”だと思います。
それほど前評判の高くなかったチームが結果を残したり、強いと言われていた早い段階で敗退してしまったり。良い意味でも悪い意味でも、「何が起きるかわからない」ということは魅力であると感じますね。
Q:その不安定さは、どのような要因から来るものなのでしょうか?
短期間で力を伸ばす選手がいることもありますが、やはり“最後の大会”であるという緊張が作用しているのかなと思います。
Q:大学の監督の視点として、良い選手を見極めるポイントは?
結果ももちろん大事ですが、考えている選手かどうかをすごく大事にしています。
具体的には、直接話をした時に、自分のことをしっかりと語れるかどうか。たとえば練習の内容を聞いた時に、「自分には⚪︎⚪︎が足りないので、こういうことをやっている」と話せるかどうかが重要だと思っています。
教育の現場では、「非認知能力(数値化することが難しい内面的なスキル)」という言い方もされる力を持っている選手が、大学では伸びると思います。社会人になってからも重要なスキルだからこそ、そういった部分は重要視して見るようにしています。