5月末から6月8日にかけ、『ジャパントラックカップ I / II』『JICF International Track Cup(JICF国際トラックカップ)』という2大会を2週間で消化する忙しい期間を終えた選手たち。『JICF International Track Cup』ではナショナルチームから若手メンバーがこぞって出走。それぞれ課題を抱えながらも充実した経験を積んでレースで活躍を見せた。
この記事では若手たちのレース後の反応をお伝えする。
※インタビューは全て『JICF International Track Cup』初日のスプリント後に実施
競技デビュー戦 尾野翔一
結果:スプリント5位、ケイリン4位
Q:初めてのレースは緊張しましたか?
緊張はしていませんでしたが、要領が……実際に観たことはあってもやったことが無かったので……
Q:えっ?ええっ?
はい……
Q:では、実際に走ってみてどうでしたか?
出し切れないまま終わったので、まだまだ余裕があるというか……どこから踏んで良いのか分からず、スプリントではバンクの高さも使えず、相手に楽なレースをさせてしまったと思います。

Q:対戦は2本ありましたが、1本目と2本目、どちらが難しかったですか?
2本目ですね。自分が前に居る時に、思っている以上にペースを上げていかないと内側を狙われるので、難しかったです。勉強になりました。
Q:とはいえ、スプリントはケイリンとは違った面白さのような物を感じましたでしょうか?
ケイリンとは違ってバンクの高さが使えたりしますし、様々なことをジェイソンコーチに教えてもらって「確かに」と思うところもありました。これから、いろいろと挑戦していくしかないです。

競技デビュー戦では200mフライングタイムトライアルで9秒台、予選を4位で突破した尾野翔一。この『JICF International Track Cup』が競技のスタートとなった。
中石湊「自分は崖っぷち 背負っている物が違う」

結果:ケイリン1位、スプリント2位
Q:今の気持ちはいかがですか?
準決勝で対戦した三神さんに勝ててすごく嬉しかったです。香港では三神さんに敗れ、その後の『ジャパントラックカップ』では自分が勝ち、1勝1敗だったので。

Q:決勝戦のコメントも下さい(笑)
決勝はジェイソンコーチに言われたことが難しくて、頭の中では理解していたのですが、実践することは出来ませんでした。スプリントは難しいです。
Q:今シーズンは順調に戦績を重ねてきていますが、鬼気迫るものを感じます。何か自分の中での違いはありますか?
はい。他の人とは背負っている物が違います。去年は成績が全然残せず、鎖骨も折り、このままだとナショナルチームから外されるような状況です。1月から崖っぷち精神でレースも練習も走れていることが、成績に反映していると思います。

(1月の)沖縄合宿に行けなかったところから、新田(祐大/ジュニア・短距離アドバイザー)さんと一緒に、Aチームが見ていないところで力一杯練習をしました。“裏合宿”です。Aチームよりも追い込まないと競技力の距離が縮まらないので、頑張りました。そこから自分でも成長できたと思います。
『ジャパントラックカップ I』のケイリンでは力が出せない中でも2着。『ジャパントラックカップ II』のケイリンでの優勝は運が巡った部分もありますが、自分の力で準決勝、決勝と動くことができました。今の脚力では強い選手を後ろから捲っていくのは難しいので、自分が粘れる範囲で仕掛けていきました。去年より安定して結果を残せていると思います。まずは、目指せBチームトップですね。
Q:そこは打倒Aチームではないのですか?
今は尾野さん、三神(遼矢)さん、高橋奏多、市田(龍生都)さんがいて、Bチーム内の争いも激しいです。僕はジュニアからいることもあり、Bチームのベテランと言われているので、築き上げてきた“崖っぷちメンタル”の強さで、Bチームの誇りをもって戦いたいと思います。

Q:Bチームの誇り……でも最近本当に調子が良さそうですね。
『ジャパントラックカップ』ではハロンで自己ベストを更新(9秒717)しました。三神さんも自己ベストを出し、市田さんも強い。尾野さんは始めたばかり、高橋は若いのにあの強さで……Bチームの士気が上がっていることも要因だと思います。
Q:ところで、中石選手の頭はアフロなのでしょうか?それとも別名ありますか?

アフロ?それとも?
一応アフロパーマで大丈夫です。ただ(山﨑)賢人さんとは幅が違います。これはアフロ専門店に行ったと思ったら実はそこが専門店ではなくて、でも引き下がれなくなり、その店の最高級なアフロにしてもらった結果です。この髪型の正式名称は名前は調べておきます!
スプリント銅メダルの三神、ケイリン優勝&スプリント銅の小原乃亜