2025年5月29日から6月1日にかけて、伊豆ベロドロームで開催される『ジャパントラックカップ』。
今年は佐藤水菜・山﨑賢人・窪木一茂が日本で「アルカンシェル」を着用して出場する初の舞台であり、『パリ2024オリンピック』金メダリストのエルレス・アンドリュース(ニュージーランド)が出場予定など、注目の大会となっている……のだが。
そもそも、どんな大会なのか。
この記事ではその背景を解説しつつ、過去大会の模様などもご紹介していく。
ついに「アルカンシェル」が日本で!五輪王者も参戦『2025ジャパントラックカップⅠ/Ⅱ』開催決定/5月29日〜6月1日(伊豆ベロドローム)
ジャパントラックカップってなに?
自転車トラック競技におけるシーズン最大の大会は「世界選手権」。その名の通り世界一を決める大会だが、その出場条件のひとつにこんなものがある。
「世界選手権大会への参加は、前回の世界選手権大会から次回の世界選手権の6週間前までにUCI日程に登録された国際トラック競技大会を少なくても1回以上開催した国に限定される。
この条件が満たされていない限り、当該国は世界選手権大会にいかなる競技者も参加登録することを認められない」
「UCI競技規則」09_1_世界選手権大会(PDF)>9.2.025
2024年世界選手権トラック ケイリンで優勝。アルカンシェルジャージを手にした山﨑賢人(中央)
つまり、世界選手権に出場する国は「必ず国際大会を1つは開催していなければならない」。ジャパントラックカップは世界選手権へ出場するため、絶対に必要な大会なのだ。
なぜ『I』『II』があるの?
ジャパントラックカップが初めて開催されたのは2014年1月。
開催時期こそ異なるものの、当時から、『ジャパントラックカップ I』『ジャパントラックカップ II』の2大会を連続する形での実施であった。
この背景には、多くの国の選手に来てもらうため、という理由がある。
先日日本勢も出場した『香港インターナショナルトラックカップ I / II』も同様のスタイルでの開催であったが、参加選手にとっては「4日間(ないしは3日間)で一気にUCIポイントを獲得できる、お得なチャンス」というわけだ。
さらに言えば、例年「2大会連続+1大会」の形式を取っており、今年も6月7-8日にかけて千葉で『JICF国際トラックカップ』が控えている。
約2週間の日本滞在で3つの大会に参加可能。特に今年は『ネーションズカップ』が1戦のみであったこともあり、海外勢にとっても、UCIポイント獲得&経験を積むための魅力的な構成といえるだろう。