UCIアワーレコードにて女子選手初の「50km越え」を達成、数学者という一面も併せ持つ名選手として知られ、昨年9月に引退を発表したビットリア・ブッシ。
再び競技の世界へと戻り、2つの世界記録へ挑戦する計画が発表された。

アワーレコードと個人パシュートの世界記録樹立へ

今回ブッシが挑戦するのは、自身が持つアワーレコードの記録と、2025年の改定によって新設された4km個人パシュートの記録。後者は現在、アンナ・モリス(イギリス)の4分24秒060が世界記録となっている。

挑戦が行われるのはメキシコ・アグアスカリエンテスにある「ビセンテナリオ・ベロドローム」。標高1800mに位置する「世界記録の聖地」であり、ブッシが「50km越え」を記録した記念すべき場所だ。

計画では、5月9日にTissotがサポートする形でアワーレコードに挑戦。そのままアグアスカリエンテスに留まり、4km個人パシュートにも挑戦する予定だという。

新たな記録で締めくくることができたら

引退からの復帰と2つの世界記録への挑戦。突如の発表となったこの計画について、ブッシは「人生でもう一度、Tissotが贈るUCIアワーレコードに挑戦できるチャンスが巡ってくると思うと、本当に嬉しい」と語る。

「この記録で“真の自転車競技人生”が始まったと言えるので、また新たな記録でそれを締めくくることができたとしたら、まさに夢のようです。

(個人パシュートと)両方の記録を同時に樹立できれば、女子サイクリングにとって素晴らしい歴史的瞬間になると思います。挑戦できることを光栄に思います!」

どのような記録を残すのか、注目したい。

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