2025年4月19日に開幕した『香港インターナショナルトラックカップ I/II』。
3日間続いたレースの最終日、『香港インターナショナルトラックカップ II』女子スプリントでは世界最速の選手、欧州チャンピオンに日本勢が挑んだ。レースの模様をレポートする。

女子スプリント

日本から出場の酒井亜樹、仲澤春香、小原乃亜のほか、全14人がエントリー。

助走ありの200mタイムトライアルで実施され、上位8人が対戦ラウンドの1回戦=準々決勝に進出。
対戦ラウンドは2本先取の3本制で実施される。

予選では、世界記録保持者のユアン・リイン、そしてこの種目の欧州チャンピオンでもあるヤナ・ブルラコヴァの走りにも注目が集まった。

予選 スピードスターたちが突破

世界最速のユアン・リイン(JIL)、欧州チャンピオンのヤナ・ブルラコヴァ、そして日本勢の3人が順当に勝ち上がった予選。タイムは以下の通りとなった。

順位 名前 所属 タイム
1 ユアン・リイン JIL 10.408
2 ヤナ・ブルラコヴァ 個人枠 10.565
3 仲澤春香 日本 11.098
4 小原乃亜 日本 11.142
5 酒井亜樹 日本 11.329
6 イェン・チョーユ 香港 11.405
7 チン・インシャン HKS 11.598
8 パク・ジへ GUM 11.620

予選結果PDF

準々決勝 酒井vs小原の日本人対決

仲澤は予選6位のイェン・チョーユとの対戦。1本目は追い込み、2本目は逃げての2本先取で準決勝進出。

予選4位の小原は予選5位の酒井と対戦。

酒井が前になり、残り1周前に駆け出していくと、後ろの小原が酒井を捕らえて1本先取。

2本目は小原が前になってレースが進む。

残り2周、最終周回と徐々に距離を詰めてくる酒井。小原は酒井の仕掛けを待つように進んでいく。

最終周回に入り両者がスプリント体制に入ると、小原が酒井に並びかけることを許さず先着。
日本人同士の対戦を制して準決勝進出を決めた。

準勝 小原vs世界最速

ユアン・リインと対した小原の1本目。小原が前で車間を取りながら進んでいく。

最終周回、スピードに乗ってスプリントに入っていったタイミングで一気に距離を詰められると、残り半周では追い抜かれてしまい相手が先着。

2本目はリインが前、小原が後ろでゆったり進む。半周を過ぎたところで止まった両者だが、ここで小原が前に出ていく。

小原が前になって展開が一気に速くなると、距離を取りながら自分のタイミングで駆けていく小原。

しかしスピードに勝る相手がフル加速していくと、最後はかわされてしまい2着。3位決定戦回りとなった。

準決勝 仲澤vs欧州チャンピオン

ヤナ・ブルラコヴァと仲澤の1本目。

途中までは仲澤が前、後ろのブルラコヴァを前に出させない形を取っていたが、最終周回前に仲澤が内側を空けたところに入られ、あわや接触といった形に。

一旦仲澤が後ろに引く形になって仕掛けていくが、相手が走り切って1本目を先取した。

2本目。後ろから攻める形となった仲澤は、残り1周半を過ぎて加速し、前へと動き出す。

しかしブルラコヴァがこの動きを封じる形でスピードを上げて並走していく。

仕切り直して後ろから再度仕掛けていく仲澤だが、最後まで届かずに相手に先着されてしまう。

この結果、3位決定戦では仲澤と小原の銅メダル争いが行われる。

3位決定戦 小原vs仲澤

小原乃亜と仲澤春香の1本目。小原が前でスタートしていく。

距離を保ちながらペースを上げていく小原。
自分のペースに持っていくと最後には僅差の勝負となったが、小原が先着。

2本目は仲澤が前、小原は後ろ3~4車身離れて両者が進む展開。
徐々に距離を詰めていく小原が、最終周回に入ったところでバンクの傾斜を利用してフル加速。仲澤を捕らえると、残り半周で追い抜いて先着。小原が2本先取で銅メダルを獲得した。

決勝 世界最速vs欧州チャンピオン

1本目は僅差のフィニッシュでユアン・リイン(JIL)が先取。そして2本目はブルラコヴァがスタートと同時に3周を逃げ切って迎えた3本目。

今度はユアン・リインが残り2周で逃げていくと、最終周回に入るところで両者が横並びとなる。

勢いから見てブルラコヴァがユアン・リインを乗り越えていくかと思ったが、ここから内側で驚異的な粘りを見せたのはユアン・リイン。

最終ストレートではわずかに前に出て先着。今大会の出場全種目で金メダル獲得となるパーフェクトな成績でレースを終えた。

順位 選手名 所属
1位 ユアン・リイン Yuan Liying 苑丽颖 JIL
2位 ヤナ・ブルラコヴァ Yana Burlakova 個人中立選手
3位 小原乃亜 日本
4位 仲澤春香 日本
5位 酒井亜樹 日本

最終結果PDF

選手インタビュー

1/2 Page