UCIランキングって何?

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日本チームの現在地

2025年3月4日(火)に更新されたUCIランキングには、『2025アジア選手権トラック』の他に、ヨーロッパ、オセアニアの大陸選手権(2025年大会)の結果、そして開催後1年未満の『パリ2024オリンピック』の結果も反映されている。

それらを踏まえて“日本チームの現在地”を見ていこう。

※下記UCIランキングは100位以内を参照

UCIランキング(2025年3月4日更新)

男子短距離ランキング

アジア選手権でスプリント・ケイリン両種目でともに表彰台に登った太田海也と中野慎詞がポイントを積み重ね、トップ10入り。

両者とも「大陸チャンピオン枠」を獲得したそれぞれの種目で世界選手権への切符を既に手にしている。

アジア選手権出場を見送った小原佑太・山﨑賢人は出場枠圏内(30枠)。71位の中石湊は、今後の諸大会でのポイント積み上げが必須という状態だ。

個人ランキング

選手名 ポイント
1位 ハリー・ラブレイセン LAVREYSEN Harrie オランダ 8300
2位 マテウス・ルディク RUDYK Mateusz ポーランド 6180
3位 ミカイル・ヤコフレフ YAKOVLEV Mikhail イスラエル 5955
6位 太田海也 日本 5210
9位 中野慎詞 日本 4250
20位 小原佑太 日本 2516
26位 山﨑賢人 日本 2278
71位 中石湊 日本 1018

国別ランキング

ポイント
1位 オランダ 11894
2位 オーストラリア 10662
3位 日本 10139

男子チームスプリントランキング

パリ五輪でメダルを獲得した3カ国が依然トップ3に位置。

『2024世界選手権トラック』で銅メダルを獲得した後、2025年のアジアチャンピオンに輝いた日本は僅差で4位。

国別ランキング

ポイント
1位 オランダ 5400
2位 イギリス 4845
3位 オーストラリア 4841
4位 日本 4380

女子短距離ランキング

日本史上初の女子ケイリン世界チャンピオンに輝いた佐藤水菜は5位。

仲澤春香

その他、2025年よりエリートカテゴリーの国際戦にデビューしたメンバーから、仲澤春香がトップ50に入った。

小原乃亜(56位)、酒井亜樹(91位)はともに今後のポイント積み上げを狙う。

個人ランキング

選手名 ポイント
1位 エマ・フィヌカン FINUCANE Emma イギリス 6638
2位 マーサ・バヨナ BAYONA PINEDA Martha コロンビア 6501
3位 エルレス・アンドリュース ANDREWS Ellesse ニュージーランド 6400
5位 佐藤水菜 日本 5530
39位 仲澤春香 日本 1530
56位 小原乃亜 日本 1205
91位 酒井亜樹 日本 752

国別ランキング

ポイント
1位 イギリス 12320
2位 オランダ 10345
3位 ドイツ 9600
4位 日本 8629

女子チームスプリントランキング

新生チームでアジア選手権の銅メダルを手にした日本女子チームスプリント。870ポイントで17位に位置している。

世界選手権では出場枠数に制限がなく、1国1チームがエントリーできるチームスプリント。今後の成長に要注目だ。

国別ランキング

ポイント
1位 イギリス 3735
2位 ドイツ 3030
3位 オランダ 2685
17位 日本 870

男子中長距離ランキング

中長距離ランキングの対象種目である、以下4種目の世界選手権出場枠はそれぞれ24枠ずつ。

オムニアム / スクラッチ / ポイントレース / エリミネーション

兒島直樹

スクラッチ現世界チャンピオンの窪木が4位、オムニアムアジア王者に輝いた兒島直樹が15位にランクインし、出場枠獲得の安全圏内に位置している*。

※一部の種目では国別ランキングで上位に入れば、個人ランキングで下位の選手も出場枠獲得可能。下記で解説。

山本哲央

UCIランキングとは関係なく、アジア王者に輝いた下記3選手は、それぞれの「大陸チャンピオン枠」を利用すれば『2025世界選手権トラック』への出場が既に可能となっている。

兒島直樹(オムニアム)、橋本英也(エリミネーション)、山本哲央(ポイントレース)

橋本英也

なお中長距離ランキング対象種目の世界選手権出場枠は、3分の2(16枠)が国別ランキング上位国から割り当てられる。

国別ランキングで1位にランクインしている日本は、実は全4種目において安全圏内に位置しているのだ。

“多数精鋭”の日本男子中長距離チームメンバーにとっては、国内選考がもう1つの大きな壁となる。

個人ランキング

選手名 ポイント
1位 ティム・ウェフラー WAFLER Tim オーストリア 5664
2位 トビアス・ハンセン HANSEN Tobias デンマーク 4593
3位 ディラン・ビビック BIBIC Dylan カナダ 4510
4位 窪木一茂 日本 3829
15位 兒島直樹 日本 3107
41位 今村駿介 日本 2200
49位 橋本英也 日本 2070
84位 山本哲央 日本 1570

国別ランキング

ポイント
1位 日本 9305
2位 イギリス 9275
3位 デンマーク 9033

男子チームパシュートランキング

惜しくもアジアNo.1の座を逃した日本は、3位にランクイン。

なお世界選手権のチームパシュートでは、チームスプリント同様にランキングに関係なく、各国1チームずつの出場枠が与えられる。

国別ランキング

ポイント
1位 デンマーク 6450
2位 イギリス 6280
3位 日本 5120

男子マディソンランキング

橋本英也・窪木一茂

国別ランキングによって全18枠が設けられている世界選手権のマディソン(1国最大1チーム)。

アジアチャンピオンに輝き5位に位置している日本は、出場安全圏内だ。

国別ランキング

ポイント
1位 ドイツ 7570
2位 デンマーク 7210
3位 ベルギー 6875
5位 日本 6440

女子中長距離ランキング

内野艶和

エリミネーションでアジア王者となった内野艶和が日本人トップの12位。

池田瑞紀・垣田真穂が20位台にラインクインしている。

池田瑞紀

しかし国別ランキングにおいて3位に位置している日本は、中長距離ランキング対象種目において世界選手権の出場安全圏内だ。

垣田真穂

なお、内野(エリミネーション)、垣田(ポイントレース)、池田(オムニアム)の3選手は、それぞれの「大陸チャンピオン枠」を利用し世界選手権に出場する権利を既に獲得している。

個人ランキング

選手名 ポイント
1位 アニータ イボンヌ・ステンバーグ STENBERG Anita Yvonne ノルウェー 7966
2位 ジェニファー・バレンテ VALENTE Jennifer アメリカ 7540
3位 ララ・ギレスピー GILLESPIE Lara アイルランド 6598
12位 内野艶和 日本 3849
25位 池田瑞紀 日本 2441
28位 垣田真穂 日本 2352
48位 梶原悠未 日本 1897

国別ランキング

ポイント
1位 アメリカ 10159
2位 ニュージーランド 9289
3位 日本 8327

女子チームパシュートランキング

梶原悠未、池田瑞紀、内野艶和、垣田真穂

アジア3連覇を達成した日本女子チームパシュート。

アジア唯一のトップ10にランクインしている。

国別ランキング

ポイント
1位 イギリス 6560
2位 イタリア 6060
3位 ドイツ 5780
9位 日本 3580

女子マディソンランキング

アジア4連覇を達成した日本は14位。

世界選手権の出場枠は男子同様18枠のマディソン。来たる『2025ネーションズカップ』でも好成績を残し、出場枠をより確実なものへと手繰り寄せたい。

国別ランキング

ポイント
1位 イギリス 7520
2位 イタリア 7240
3位 オランダ 6930
14位 日本 3838

【まとめ】アジア選手権後の「現在地」

『2025アジア選手権トラック』直後のUCIランキングをもとに、『2025世界選手権トラック』へ向けた日本チームの現在地をお届けしてきた。

全種目において出場枠獲得圏内である日本チーム。
さらにまとめると、こんな感じ▼

短距離

男女ともに、世界選手権の出場経験者は安全圏内。
世界選手権未出場の若手選手はポイント積み上げ必須(スプリント・ケイリンへの出場を目指す場合)。

種目 ステータス
男子 スプリント 超安全圏:太田海也、中野慎詞

安全圏:小原佑太、山﨑賢人

ポイント積上必須:中石湊

ケイリン
女子 スプリント 超安全圏:佐藤水菜

ポイント積上必須:仲澤春香、小原乃亜、酒井亜樹

ケイリン

中長距離

男女ともに、個人種目は国別ランキングで安全圏内。
この先は、さらなるポイント積み上げと厳しい国内選考が待っている。

マディソン女子チームは油断大敵。ポイントを積み上げ、さらなるジャンプアップへ。

種目 ステータス
男子 オムニアム 国別ランキングで超安全圏内
スクラッチ
エリミネーション
ポイントレース
マディソン 超安全圏内
女子 オムニアム 国別ランキングで超安全圏内
スクラッチ
エリミネーション
ポイントレース
マディソン 出場枠獲得圏内 / 安全圏内へもう少し

次なる戦いはトルコで3月14日開幕!『ネーションズカップ』

アジア選手権を終えた日本チームが挑む次なる戦いは、3月14日からトルコ・コンヤで開幕する『2025ネーションズカップ第1戦』。

全16選手の派遣が予定されている日本チーム。ネーションズカップは大陸選手権よりも高いUCIポイントが獲得できる大舞台だ。

ランキング上位に位置する世界各国のスター選手も参戦してくるだろう。

10月に控えた『2025世界選手権トラック』に向けたUCIランキングにも注目しつつ、ぜひ応援いただきたい。

『ネーションズカップ』(トルコ・コンヤ)派遣選手団が決定!/3月14日〜16日

出場全選手がメダル獲得! 日本人選手結果一覧/アジア選手権トラック2025